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カレー沢薫の時流漂流 第328回 治安が悪けりゃ警察も機能しない、民衆よ声をあげよ! 日本のフリマアプリの話です。

マイナビニュース / 2024年12月2日 16時36分

そんなわけで、さすがに今回ばかりは、でかくなりすぎたお客様の声を無視できないだろう、と言われているのが、日本最大のフリマサイト「メルカリ」の「返品詐欺」である。

○サンフランシスコのダウンタウン気分が味わえるぜ

メルカリと言えば、不用品を匿名で売ったり買ったりできる便利なサービスとして利用者も多いのだが、治安の悪さでも話題に上りやすく、戦後最大の闇市としても有名である。

漫画家の間では「人間不信になりたくなければメルカリで自分のPNを検索するな」と言われている、かどうかは知らないが、実際ファンを名乗る人物に贈ったサインが秒で転売されているのがメルカリであり、私がコラボカフェをやった時に、まだ関係者しか持ってないはずのグッズが何故か出品されていたのも確かメルカリだった。

Xを見ればわかるように、人口が増えれば治安の悪化は免れない。

しかしクライムシティには人口過多だけではなく「警察が機能していない」という特徴もある。

つまり、メルカリの治安が悪いのは、警察である運営が悪質ユーザーを取り締まらないせいと前々から指摘されており、今回「返品詐欺」の問題が大きく取り上げられたことにより、さすがに何らかの対応を取るだろうと言われている。

今回話題の「返品詐欺」とは、購入者が「商品に不備があった」として運営に返品と返金を求め、運営は購入者に返金し返品されたものを出品者に返すのだが、その商品が偽物という詐欺である。

こうすることにより、購入者は実質タダで商品を手に入れ、逆に出品者は商品だけを取られるという被害を受ける。

この被害を受けたユーザーが運営に対応を求めるも、偽物だという証拠がないとし、要約するに「自分で警察に相談するなりして」という、桃屋より塩分濃度が高い対応をしたため、納得できないユーザーが詳細をXで告発、大きく拡散された上、同様の被害報告が相次ぐことになった。

詐欺自体も問題だが、それより問題視されたのは被害報告に対しメルカリが『自分で何とかして』の一点張りだったという点である。

犯罪を犯しても警察は追ってこないし、そもそも被害届を頑なに受理しないマッドポリスの街とわかれば、犯罪者が「ここをキャンプ地とする!」と宣言して根城にするのは当たり前だ。

自分で何とかしろと言われても、個人で犯人を特定し訴訟までするとなったら、そちらの方が高くつく。よって被害者は今まで泣き寝入りするしかない状態だったという。
○でも日本はマシな方、警察もメルカリも騒げば動いてくれる

だが、今回ばかりは騒ぎが大きくなりすぎて、メルカリも無視ができなくなったのか、被害者に返金対応をすることになった。だが、被害者は悪質ユーザーの取締りなど、根本的な対応を求めている。

取引相手が詐欺師でないことを祈るしかないフリマサイトなど、怖くて利用できない。さすがのメルカリも今後は何らか詐欺対策を強化していかざるをえないのではないかと言われている。

このように、クレームに対し窓口が舐めた対応をしたことでSNSに書かれ大ごとになるという炎上が昨今増えている。

もはや個人の小さき声なら無視して大丈夫という時代は終わった。むしろノーモーションでSNSに晒す前に窓口に問い合わせてくれたことを感謝し、声が小さいうちに対応すべきだろう。
(カレー沢薫)



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