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TBSとは異なる世界観…フジの池井戸潤作品『ようこそ、わが家へ』“ホームドラマ×サスペンス&ミステリー”を生み出した大胆な脚色

マイナビニュース / 2024年12月4日 11時0分

画像提供:マイナビニュース

●現在に通じるメッセージ性が際立つ
今秋、池井戸潤の小説をドラマ化した『民王R』(テレビ朝日)が放送されている。同作のドラマ化は2015年に続く2度目だが、「池井戸潤原作の連ドラ」と言えばTBSを思い浮かべる人が多いのではないか。

実際、13年・20年の『半沢直樹』、14年の『ルーズヴェルト・ゲーム』、15年・18年の『下町ロケット』、17年の『陸王』、19年の『ノーサイド・ゲーム』と実に7回も看板枠の日曜劇場で放送され、いずれも高視聴率のヒット作となった。

その他では日本テレビが14年・15年・24年に『半沢直樹』の流れを汲む銀行が舞台の『花咲舞が黙ってない』、テレ朝が23年に『ハヤブサ消防団』をドラマ化した。つまりこれまでTBSが7回、テレ朝と日テレが3回ずつだったのだが、フジテレビが唯一ドラマ化したのが15年放送の『ようこそ、わが家へ』(FODで配信中)だ。

当作はポジティブな意味でTBSの池井戸潤原作ドラマとは異なるムードがあり、しかもフジが手がけることで現在に通じるメッセージ性が際立っていた。

○主人公を変えて事実上のW主人公に

主なあらすじは、「気弱で争いごとが苦手な倉田健太(相葉雅紀)は、ある日、仕事帰りの駅で割り込み乗車をしようとした男を柄にもなく注意する。しかし、その日を境に身の回りでさまざまな嫌がらせが起こり、健太とその家族はストーカーの恐怖にさらされていく。時を同じくして、健太の父・太一(寺尾聰)は勤務先の不正と戦うことになっていた……」。

池井戸潤らしい企業モノのシーンこそあるものの、メインは顔も名前も知らない人間からの嫌がらせと戦う家族を描いたサスペンス&ミステリータッチのホームドラマ。「池井戸作品史上、最弱のヒーロー」と言われる主人公親子のキャラクターも含め、『半沢直樹』らTBSの作風とは明らかに異なる。

注目すべきは、制作サイドが原作から主人公を変更したこと。原作では父・太一が主人公だったが、ドラマでは息子の健太に代わり、しかも大学生ではなくアラサーのデザイナーに変え、さらにタウン誌記者の梶取明日香(沢尻エリカ)というオリジナルキャラを相棒役に加えた。

原作のコンセプトは、太一が家庭と会社における内外の深刻な問題に向き合う物語。一方、ドラマは健太を前面に押し出して太一との事実上の“ダブル主人公”に脚色したことで、ホームドラマとしての要素が濃くなった。

嫌がらせを続ける通称「名無しさん」の迷惑行為はエスカレート。度重なる犯罪行為に加え、健太の妹・七菜(有村架純)がリベンジポルノに遭い、母・珪子(南果歩)は警察に任意同行されるなど事態は深刻化していく。さらに父・太一は部下の西沢摂子(山口紗弥加)とともに不正と戦っていたが、営業部長の真瀬博樹(竹中直人)に追い込まれるなど、家族そろってピンチの連続だった。

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