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能登半島地震、船が行った災害支援とは? - 「船舶の災害支援とシーマンシップ」シンポジウムを開催

マイナビニュース / 2024年12月5日 13時47分

画像提供:マイナビニュース

日本航海学会シーマンシップ研究会は、11月24日、富山県氷見市「うみあかり」とオンラインにて、シンポジウム「船舶の災害支援とシーマンシップ」を開催した。日本内航海運組合総連合会、富山高等専門学校、鳥羽商船高等専門学校、広島商船高等専門学校、大島商船高等専門学校、弓削商船高等専門学校、日本人間工学会海事人間工学研究部会を後援に迎えた同シンポジウムの様子をレポートする。
○能登半島地震における富山高専練習船「若潮丸」の支援

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震において、本シンポジウムの開催場所「うみあかり」のある氷見市は、富山県の中でも最も大きな被害を受けた自治体だという。今回のシンポジウムでは、能登半島地震の際に船がどのように支援を行ったかの報告や、航海士の技能の違いによる航海当直引き継ぎの調査結果、また1995年の阪神・淡路大震災を経験した神戸市の取り組みや、災害支援に活かされるシーマンシップと、5つの公演が行われた。

シンポジウムの冒頭、富山高等専門学校 若潮丸船長の金山恵美氏より「令和6年能登半島地震における練習船若潮丸の取組み」をテーマとした講演が行われた。富山県富山市と射水市にキャンパスを置く富山高専では、1年生から5年生まで、練習船「若潮丸」にてテーマを設けた実習をカリキュラムに組み込んでいる。また、富山湾をフィールドにした研究航海や地域の子どもを招いた体験講座といった地域貢献も実施しているという。

能登半島地震が起きた際、富山高専は射水市のキャンパスを緊急避難場所として開放し、近隣住民約300人が一時避難した。「その状況のなかで、若潮丸としてできる支援を整理しました。岸壁で行える支援は、飲料水やシャワー、休息設備の提供、航行して行う支援としては、支援物資の運搬や人の移動支援といった内容です」と金山氏は語る。

支援内容を模索する中、國枝校長を総責任者としたTeam富山高専としての支援活動を始動。民間からの支援物資を受け付けており、実習でもお世話になっている石川県七尾市の七尾港へ、七尾市が希望する支援物資のうち水(2Lペットボトル400箱、4.8t)の輸送と寄付を行った。

金山氏は今回の支援を通して、迅速かつ有効的な支援を行うためには、通常時の準備、訓練の必要性と、情報収集と情報発信の重要性を感じたという。

「通常であれば代理店で情報をもらえますが、代理店も被災しているとなかなか状況が入ってこない。今回は、七尾港に災害派遣された高速フェリー「ナッチャンWorld」からビットの状況をもらったりと、情報収集の大変さを身をもって実感しました。若潮丸専用岸壁のある富山新港は、日本海側では2港のみの"国際拠点港湾"であり、富山県内でも最も多くの船舶係留設備を持つ港。そのため災害発生時には富山県の海の災害対策の拠点になりえます。今後は海からの支援活動や避難を行う際の港の状況をまとめた海の防災マップの作成を検討しています」と締めくくった。
○内航特殊タンク船の災害輸送への活用

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