知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第183回 総務省が最大6カ月の「お試し割」を解禁、楽天モバイルとMVNOに与える影響は
マイナビニュース / 2024年12月12日 18時33分
2024年12月5日、総務省は改正した「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の内容を公開したが、その中には新たに、6カ月間にわたって上限2万2000円まで割り引くことができる「お試し割」というべき内容が盛り込まれている。この割引施策が認められた背景には楽天モバイルが大きく影響しているが、お試し割の解禁は市場にどのような影響をもたらすだろうか。
楽天モバイルの提案から急浮上したお試し割
ここ数年来、年末には総務省の有識者会議「競争ルールの検証に関するWG」の議論を受け、電気通信事業法やそのガイドラインの改正がなされることが定例化している。このWGは主として携帯電話市場の競争環境に関するルールの議論がなされており、主な議論のテーマとなっているものの1つがスマートフォンの値引き規制だ。
かつて一般的だったスマートフォンの大幅値引きは、企業体力のある大手しか実現できないので公正競争を阻害するとして相次いで規制をかけてきた。実際、2024年12月5日に総務省が公表した「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正内容を見ると、2023年のいわゆる「1円スマホ」の規制に続いて、新たにソフトバンクらが今年力を入れてきた、端末購入プログラムを活用したスマートフォンの大幅値引きを規制する施策が打ち出されている。
だが先のWGで議論されている内容はスマートフォン値引きだけではない。それゆえ今回のガイドライン改正ではスマートフォンの値引き規制以外にも大きな変更がいくつかなされており、その1つが「お試し割」の解禁だ。
これは名前の通り、消費者が他社サービスの通信回線を試しやすくするもの。具体的には新規契約者に対し、6カ月間にわたって、上限が2万2000円までの割引をすることが認められるという。ただしお試し割適用できるのはブランドを問わず1社当たり1回までなので、同じ会社のメインブランドからサブブランドに乗り換えて再び割引を適用することなどはできない。それでも回線を乗り換えることで6カ月間は割引が得られるメリットは大きいだろう。
しかしながら、長らく議論がなされてきたスマートフォンの値引き規制とは違い、お試し割の議論は2024年になって急浮上したものでもある。なぜ総務省が突如、お試し割をガイドラインに盛り込む見至ったのかというと、そこに大きく影響したのが楽天モバイルだ。
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