デザイン界隈で話題!「Adobe Illustrator」テキストエンジン刷新の理由と対処法を聞く
マイナビニュース / 2024年12月16日 21時32分
「Adobe Illustrator」は、1987年から発売されているアドビの最も歴史あるソフトウェアであり、グラフィックデザインに携わる人にとっては、なくてはならないツールのひとつです。そのIllustratorの最新アップデートが今、デザイン界隈でちょっとした話題になっています。
アップデートのたびに新しい機能が追加されるなどして、進化を遂げてきたIllustratorですが、今回のアップデートがこれまでと大きく異なるのは、文字組みを司るプログラム「テキストエンジン」が刷新されたこと。テキストエンジンの大規模なアップデートは、2003年に「Illustrator CS」の登場にあわせて実施されて以来ということなので、実に20年以上ぶりとなります。
これが話題になっているのは、この刷新によって、これまでのIllustratorで作ったファイルを最新のIllustratorで開くと、旧テキストエンジンでレイアウトしたテキストの配置や改行位置が変わってしまうことがあるため。影響を受けるファイルを開く際には必ず警告ダイアログが表示されるようにはなっていますが、テキストをアウトライン化していないファイルでは注意が必要です。
このテキストエンジン刷新の理由と問題発生時の対処法について、アドビ プリンシパルサイエンティストのナット・マッカリー氏とCreative Cloud セグメントマーケティング部 マーケティングマネージャーの岩本崇氏に話をを聞きました。
「アドビの歴史はタイポグラフィーから始まっています。私たちは文字組みをいかにシンプルにパワフルにできるか、長年技術開発をしてきました。その結果、今ではあらゆるメディアの文字表現に、アドビの技術が用いられています」と、ナット・マッカリー氏は話します。
「良いタイポグラフィーでは、文字が持つ情報がスッと入ってきます。サイズや行間、文字間隔のほか、日本語の場合は縦書きか横書きか、漢字、ひらがな、カタカナかなど、いろいろな要素があります。文字が(デザインによって)絵のようにもなるというのが、日本語の独特なところ」とマッカリー氏。
さらに日本では、エキスパートだけでなく普通の人も、スペースや配置、文字が真ん中に揃っているかなどに敏感で、悪いタイポグラフィーに違和感を覚える人が多いといいます。「私たちのミッションは、エキスパートはもちろん普通の人も、美しい文字組みができるようにすること」というマッカリー氏は、今回のアップデートはそのために欠かせないものだったと説明します。
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