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高齢者の正月リスク - “餅窒息”を防ぐために知っておくべきこと【医師監修】

マイナビニュース / 2024年12月31日 10時0分

危険であると分かっていても、本人の餅を食べたい気持ちに応えたいのが家族としての思い。餅での事故を防ぐ方法として政府広報オンラインでは、餅はあらかじめ食べやすい大きさに小さく切っておくことを推奨しています。

また、水やお茶、汁物などを先に飲んで、喉を潤して食べることもポイントです。なお、うまく飲み込めないからといって、お茶などで無理やりお餅を流し込むのはNG。お茶や汁物はあくまでも唾液の補助として考えるとよいのだそう。

さらに、急いで飲み込まず、少量ずつ口に入れよく噛んで食べるのも重要。噛むことで唾液の分泌が促され、スムーズに飲み込むことができます。

そして高齢者本人には、急いで食べることを避けるよう伝えることが大切です。落ち着いた雰囲気で食事を楽しめる環境作りや、そばで見守り何か異変があればすぐに対処できるよう準備しておくことで、お餅を家族で楽しめるようになるでしょう。
■もしも餅が喉に詰まった場合の応急処置

餅を喉に詰まらせた場合、早急に詰まらせた餅を取り除くことが重要です。咳き込んだり苦しそうにする様子や、チョークサインと呼ばれる声を出せず喉をつかむ動作が見られた場合は、気道異物除去を行います。

咳をすることが可能であれば、できるかぎり咳をさせます。強い咳をすることもできないときには窒息と判断し、大声で助けを呼んで周りの人に119番通報やAEDの搬送を依頼します。救助者が一人の場合、餅を詰まらせた人に反応がある間は、119番通報よりも異物除去を優先しましょう。

気道異物除去の方法には次のようなものがあります。

・背部叩打法

手のひらの付け根部分で左右の肩甲骨の中間あたりを、数回以上力強く叩きます。

・腹部突き上げ法(ハイムリック法)

背部叩打法で餅が出てこないときは、次に「腹部突き上げ法」を行います。ただし、この方法は、乳児や妊婦、高度肥満の人には行ってはいけません。

「腹部突き上げ法」は、相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く方法です。相手の後ろにまわり、両方の手を脇から通し、ウエスト付近に手を回します。一方の手で握りこぶしをつくり、その親指側をへそより少し上に当てます。その握りこぶしをもう一方の手で握って、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。

なお、腹部突き上げ法を実施した場合は、腹部の内臓を傷める可能性があるため、救急隊にその旨を伝えるか、速やかに医師の診察を受ける必要があります。
■勝木 将人先生より

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