1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

2025年問題と成年後見制度

マイナビニュース / 2024年12月30日 11時0分

個人的にも、できるなら使いたくはありません。なぜなら、この制度は一度使うと本人の判断能力が回復しない限りはやめられないからです。

例えば、事故で判断能力が失われた夫名義の一戸建てを売却するために後見人をつけたとしたら、売却が終わったとしてもその人が亡くなる時まで後見人から財産管理を受けることになります。

夫と妻の収入や財産を分けて管理していれば問題は少ないですが、後期高齢者世代なら家の財産の大半が夫(父)の名義であることも珍しくありません。家族用の資金が含まれていても本人の財産と見なされるため、法定後見であれば家庭裁判所が決めた専門家(いわゆる他人)に管理されることもあります。

しかも管理のための報酬も毎月支払わなくてはなりません。若い人でも、事故や病気で突然判断能力を失い後見制度を使うことになれば、少なくとも数十年はそれが続きます。そのほかにも成年後見人の考えが本人の要望より優先される可能性が高いことや、本人の判断能力の変化に沿った交代がされにくいなどの問題が指摘されていますが、二の足を踏む原因の一番はこの「一度使うとやめられない」点だと思われます。
○元気なうちに探すための後見人情報

法務省では2022年から法改正の準備を進めていますが、改正法の運用は恐らく2026年以降になるでしょう(法務省-成年後見制度の見直しについて)。

といっても、さまざまな理由から後見制度を利用する必要のある方もいるはずです。そこで後見人候補を選ぶ上で知っておくとちょっと便利かも、という情報をまとめてみました。後見人と一口にいってもさまざまな人がいるのです。ちなみに家庭裁判所が法定後見人を選ぶ時の候補者リストには、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会からの推薦者が並ぶといわれています。
○1.士業(専門家)

士業はそれぞれの専門業務が決まっているため、できない業務がある場合は他士業と協力して対応します。個人はもちろん士業によっては後見専門団体もあるので、そちらで相談してもよいでしょう。

i.弁護士

後見申立ての代理から相続トラブルなど幅広い問題に対応できるのが強みです。外部のチェックが家庭裁判所からの年1回しかないため、日本弁護士連合会では不正を防止するためにも、「弁護士成年後見人信用保証」(※2)に入会済みの弁護士を優先的に候補者リストに推薦するなどの工夫をしています。

依頼した弁護士が業務を辞退した時にきちんと引き継いでくれるか、身上保護まで目が行き届くかは個人による点、報酬の高い点などで気軽さは少ないですが、企業経営者や資産の多い人、相続問題が起こる可能性がある人には心強い存在です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください