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どこでもサイエンス 第297回 “布”なおはなし

マイナビニュース / 2024年12月18日 11時47分

ナイロンは、アメリカのデュポン社の化学者ウォーレス・ヒューム・カロザースが偶然に合成したことで有名です。1935年、カロザースは、合成ゴムなどの高分子素材の合成実験をしていたところ、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを重合すると繊維状になるものがあることに気がつきます。これこそが6,6-ナイロン(ナイロン6,6)の発見でした。ナイロンは、天然繊維と違い、非常に強固にすることができ「伝線しないストッキング」を作ることができる素材となりました。ちなみに日本でも東洋レーヨン、つまりは東レが、カロザースらの特許を分析し独自に6,6-ナイロンの合成に成功。さらに特許に抵触しないものとして星野孝平らがナイロン6の合成に成功します。工業化には手間取ったものの、その後日本の外貨獲得に役立つほどの産業に成長します。

さらに、ナイロン以外にも様々な化学合成繊維が登場し、医療や宇宙や原子炉などの放射線環境、真空や高温、低温に耐えるような繊維、そして布が開発されています。消防服も宇宙服も布でできていたりしますからね。現在も日々、新しい機能性の繊維、そして布が登場し、なんとかテックとか行っているわけでございます。そうそう、ゴアテックスの話もテフロンにからめてこの連載の第230回で書きましたなー。いや、素材ネタは面白いのでございます。

布のはなし。ざざざーっとでございますが書いてみました。幅広いジャンルなので、ネタもたくさん。たぶんまたお話することがあるかと思います。では。

東明六郎 しののめろくろう 科学系キュレーター。 あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。 この著者の記事一覧はこちら
(東明六郎)



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