1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

4500個のアプリを開発した星野リゾート、kintone活用の“もやもや” をどう乗り越えた?

マイナビニュース / 2024年12月20日 11時0分

現在は、社内の基幹システムをプロコードによる内製で再構築している最中で、kintoneによるノーコード開発もさらに加速させている。また、社内ビジネススクールでkintoneの使い方を教えたり、情報システムグループがアプリ開発に伴走したりすることで、「多くのメンバーが新たなノーコードにも挑戦するようになり、質と量にこだわった市民開発が進んでいる」(久本氏)という。

ノーコード開発の“もやもや”「言われた通りでいい!?」

ここまで聞くと、星野リゾートのkintone活用は順風満帆に見えるだろう。しかし、情報システムグループには、「早く正確に、言われたものを作るだけでいいのか……」と“もやもや”を感じるメンバーがいた。

新卒入社時に「星のや軽井沢」でサービススタッフを3年間務めた後、「もっと業務を改善したい」という思いから情報システムグループへ異動してきた小竹潤子氏(情報システムグループ・ITサービスマネジメントユニット)だ。異動後にkintone認定資格を取得した小竹氏は、現場で培ってきた経験や知見を生かし、これまでに300個以上のアプリ開発に携わってきた。

そんな小竹氏がもやもやを感じ始めたのは、情報システムグループに異動してから5年目、統合予約領域のシステム導入担当者になった2024年春のことだった。

「アプリやシステムを開発するのはとても楽しいが、『言われた通りに作ったのに何か違う』『依頼者側もできたものを見てしっくり来ていない』『そもそも何を作っていいのか分からない』といったもやもやを感じていた」と小竹氏は振り返る。

足りないのは技術力なのか、それともツールや役割なのか。何かが足りないと感じた小竹氏は、上司の久本氏に悩みを打ち明けた。すると、もやもやの相談を受けた久本氏は「何が足りないかは分からない。統合予約の現場で業務研修をしてきたらどうか」と提案。小竹氏は統合予約部門で2カ月間研修することになった。
システム開発に必要なのは「多様な視点」

星野リゾートの統合予約部門は、宿泊先の相談をはじめ、予約の変更や送迎の手配、食事のアレンジなど、「どんな相談にも乗るプロフェッショナルな集団」なのだという。「久本さんからの提案は正直驚いた。統合予約部門は、星野リゾートの全施設を熟知していて、私自身も以前からリスペクトしていた」と小竹氏。

研修先は沖縄県だった。2カ月間短期移住し、予約問い合わせ対応の勉強を一から始めた。「とんでもないほどの多くの情報量を扱うため、自分のデスクで4画面のマルチモニターと電話機に囲まれながら、約1300件のお客さまの電話に対応した」と振り返り、「宿までの道案内や食事時間の調整、プロポーズの相談など、さまざまな対応を学んだ」と語った。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください