冬に起こりやすい脳卒中の予防 - 生活習慣のポイントは
マイナビニュース / 2024年12月26日 11時0分
脂質異常症による脳卒中を予防するには、コレステロール値を適宜計測し、管理することが大切です。特に悪玉コレステロールが高い人は、脂肪の摂取をできる限り制限する努力をしましょう。
○<不整脈(心房細動)>
心房細動とは、心臓が正常に血液を送り出さないことにより、血球が滞留してお互いがくっついてしまい、心臓の左心耳と呼ばれる部分に血栓が形成されることです。その血栓がはがれて脳へ血液を運ぶ血管をふさいだ場合、脳への血液供給が妨げられ脳卒中が起こります。
そのため、心房細動の早期発見や、脳卒中リスクを低減するための治療が重要です。
○<喫煙>
ニコチンは血圧を高め、動脈硬化を促進すると言われています。また、脳梗塞やくも膜下出血の危険因子となり、喫煙本数が増えると脳卒中の発症リスクが高まります。5〜10年間の禁煙で脳卒中のリスクは低下するため、禁煙が重要です。受動喫煙も危険因子となりますので気を付けましょう。
○<飲酒>
たまにお酒を飲む程度の機会飲酒に比べ、大量の飲酒習慣(エタノール450mg/週以上)は脳卒中の発症率を68%増加させ、特に脳出血やくも膜下出血のリスクを引き上げます。大量の飲酒習慣は控えましょう。
最後に脳卒中の予防法に関して、脳神経内科の専門医に聞いてみました。
脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があり、疾患ごとに原因が異なり、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙などが原因となります。その中でも、高血圧と喫煙は共通する原因となるため特に注意する必要があります。これらは定期健診で指摘されることが多く、適切な対処が可能です。食生活や運動習慣の改善によって予防が期待できます。
健診で指摘されにくい病気は心房細動(特に一過性)と脳動脈瘤です。心房細動は巨大な脳梗塞の原因となりやすく自身の脈のリズムが不整となる不整脈です。持続性と一過性があり、持続性は健診で指摘されますが、一過性は普段は通常の脈に戻っており指摘できない場合があります。普段から動悸症状に気を付け、脈のリズムをチェックすることが重要です。
脳動脈瘤は破裂するとくも膜下出血の原因となりますが、破裂しない限り無症状であることが多いです。遺伝的素因も関連するといわれているので、家族にくも膜下出血を発症している方は脳ドッグを受けることを強くお勧めします。
○金井 雅裕(かない まさひろ)先生
一宮西病院 脳神経内科/副部長・脳卒中センター副センター長
資格:日本神経学会 神経内科専門医、日本内科学会 総合内科専門医、日本脳卒中学会 脳卒中専門医
(武藤貴子)
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