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「GIGAスクール第2期もiPadで」を早々に決定、三重県いなべ市の“成功体験”

マイナビニュース / 2024年12月25日 6時0分

さらに、授業でのiPad活用事例を先生が紙やスライドにまとめて各校で共有し、先生同士が支え合う文化ができたといいます。ICTが得意ではない先生も参考にでき、授業の効率化につながったそう。iPadを用いた授業の進め方に苦労するベテランの先生が、若手の先生の事例やアドバイスを参考に改善したケースもあり、「iPadを導入してから若手の先生が自信にあふれ、元気になっている」と伊藤正紀さんは思いがけぬ効果も評価します。

このような取り組みが功を奏し、いなべ市の学校ではiPadが日々当たり前のように使われるツールになりました。「iPadの導入当初、『使うのをちょっとためらってしまう』と面倒に感じていた先生もいたが、現在は『いつでもちょっとでも使いたいな』と意識が変わってきた。この変化こそが、市を挙げてICT機器の活用を推進してきた取り組みの成果だと感じている」と伊藤さんは振り返ります。

変わったのは先生だけではありません。学校で学ぶ子どもたちも、iPadを用いた動画の作成や校外学習での活用、グループ学習など、深い学びにつながる授業を進めたことで、全国学力学習状況調査の結果も向上。さらに、「自分で考え、自分から取り組んでいますか」「お互いの意見を生かしながら解決方法をみんなで決めていますか」といった内容の質問に対しての回答が前向きで好ましくなったといいます。

iPadは故障が少なく、すぐ起動する点を評価

このようにiPadを効果的に活用しているいなべ市ですが、GIGAスクール構想の第2期でも引き続きiPadを採用することを決めています。その理由として「故障が少ない」「起動に待たされない」「長く使える設計」「豊富な無料アプリ」などを挙げました。

いなべ市では4,000台ほどのiPadを導入していますが、使えなくなったのは全体の1%に満たない34台にとどまるといます。「ほとんどが落下による画面破損で、それ以外のハードウエアの故障はほぼなかった」と振り返ります。GIGAスクール第2期で、文部科学省は破損などに備えて予備機を全体の15%以内の台数で用意するよう定めていますが、その数字を大幅に下回る故障率だったわけです。

起動の速さに関しては「使いたいのに起動が遅くて授業が進められない、ではICT端末としては失格。そうなると先生も使うのをためらってしまう。iPadは年数が経ってもレスポンスが遅くなることがない」と、長く使っても快適さが変わらない点も評価しました。

GIGAスクール構想の第2期は、国から1台あたり55,000円の補助金が出ます。「この枠の予算で収まる機器で済まそう、という自治体もあるだろう。だが、いなべ市は未来を担う子どもの学習環境の整備を優先する方針であり、補助金を有効活用しつつベストなものを選択することにした」と伊藤さんは解説。市の持ち出しの発生をいとわず、第10世代iPadと周辺アクセサリーの導入を決めました。「第10世代iPadは、何よりストレージ容量が増えたのが非常にありがたい。子どもたちは写真や動画をいっぱい撮るので、残り容量を気にせずに済む」と期待を寄せます。

いなべ市では、導入したタイミングが早い機材から順次第10世代iPadに置き換えていくそう。児童生徒はもとより、先生たちも不可欠な存在だという認識が広まっているiPadが新しくなることで、深い学びに対する意欲がさらに増すのは間違いなさそうです。
(磯修)



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