女性だけじゃない、「男性更年期障害」 - 具体的な症状は?
マイナビニュース / 2025年1月7日 11時0分
ただし、希死念慮(死にたいと思うこと)などがある場合、すぐに精神科専門医を受診することが大切です。
○■女性更年期障害と男性更年期障害の違い
男性にもみられる更年期障害ですが、女性と比べるとどのような違いがあるのでしょうか。女性の更年期障害は、閉経を境に女性ホルモンが急激に減少することで起こり、症状も急に現れます。そのため、女性の更年期障害は比較的認識されやすく、診断や治療が確立しています。
一方、男性には女性の閉経のようなはっきりとした節目はありません。男性ホルモンの減少は20代から始まり徐々に進行しますので、症状も徐々に現れるという特徴があります。そのため、男性の更年期障害は、加齢による身体機能の衰えなのか、更年期障害による不調なのか、区別がつきづらいと言えます。
さらに、男性の更年期障害は女性と比べて身体症状よりも精神症状の方が多くみられることも特徴の一つです。どのような男性が更年期障害を発症しやすいのかはまだはっきりしていませんが、神経質でまじめ、責任感や競争心の強い人は発症しやすい傾向にあると言われています。
ただし日本では、男性の更年期障害の研究が始まってから20年程度しか経っておらず、その全貌は明らかになっていないのが現状です。
○■改善するために大切な生活習慣は?
男性の更年期障害は加齢やストレスによる男性ホルモンの減少が原因であり、防ぐのは難しいのが実情です。しかし、普段の生活習慣の見直しを心がけるだけで、男性ホルモンの維持が期待できます。男性ホルモンは男性特有の筋肉や性機能だけに働くのではなく、認知機能や血管の健康にも関係しているため、それを維持することは中高年男性の健康のカギとなります。
生活習慣の改善としては、以下のような点を意識しましょう。
・規則正しい生活を送る
・充分な睡眠、休養をとる
・ストレスを溜め込まない
・栄養バランスに配慮した食事をとる
・適度な運動で適正体重をキープする
・ビタミンD、亜鉛を含むサプリメントを摂取する
・喫煙を避ける
食事については、テストステロンの産生を増やす食べ物(にんじん、たまねぎなど)や、たんぱく質(肉、卵、乳製品など)を積極的にとりましょう。
これらの生活習慣を意識しても症状が良くならない場合、症状に応じた薬物療法が行われることがあります。その他の治療法としては、「ホルモン療法(アンドロゲン補充療法(ART))」があり、日本においては、「テストステロン製剤」と呼ばれる治療薬を定期的に筋肉に注射する方法が保険適用となっています。
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