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知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第184回 急増した「電気通信事業法改正」のポスターから見える携帯ショップの危機感

マイナビニュース / 2024年12月26日 16時34分

画像提供:マイナビニュース

この年末、携帯電話ショップの店頭で電気通信事業法改正をうたうポスターなどを多く見かけるようになった。その背景には2024年1月26日の電気通信事業法ガイドライン改正によって、スマートフォンの値引きが再び規制されることが影響しているのだが、そのことに携帯電話ショップが強い危機感を示しているのはなぜだろうか。
ガイドライン改正で新たなスマホの値引き規制も

2024年も年の瀬を迎えたが、ここ最近いくつかの携帯電話ショップの店頭を通ると、2024年12月26日に電気通信事業法が改正されることをうたうポスターを貼り出す店舗が多く見られた。中には「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」が改正されると、かなり具体的に記述してあるケースもあった。

さらに一部の携帯電話会社では自社ショップだけでなく、駅などのイベントスペースに臨時のショップを設け、そちらでも電気通信事業法改正をうたいスマートフォンを販売するケースが見られた。だがそれらポスターには、電気通信事業法の改正で何が変わるのかは記されておらず、興味を持った人をショップに呼び込むことが目的となっていたようだ。

ではこの改正が何をもたらすのかというと、消費者には大きく3つの要素が影響してくる。1つは前回(第183回)で触れたいわゆる「お試し割」の解禁、2つ目はミリ波に対応したスマートフォンの値引き規制緩和。そして3つ目が新たなスマートフォンの値引き規制強化である。

これは2023年末の電気通信事業法一部改正で、いわゆる「1円スマホ」の販売手法が規制されたことを受け、ソフトバンクが主導して進められていた、端末購入プログラムを活用したスマートフォンの大幅値引き手法を規制するものになる。

その値引き手法とは、分割払いでスマートフォンを購入した後、1年と早期に返却することで実質的な支払額を大幅に引き下げるというもの。携帯各社は端末購入プログラムで返却されたスマートフォンを中古市場に売却することで残りの支払い分を補填しているが、中古市場では新しい端末ほど買取額が高くなるので、返却時期を短くすることで買取額を高く設定し、その分より大幅な値引きを実現している訳だ。

だがその買取予想額は、従来携帯電話会社が独自に決めていたため、買取予想額を高く見積もればその分値引き額を増やすことができた。そのことを問題視した総務省が、今回のガイドライン改正で中古携帯ショップの団体、リユースモバイルジャパン(RMJ)の買取平均額を基に買取予想額を算出するという統一基準を設け、買取予想額のつり上げを阻止し大幅値引きを規制するに至った訳だ。

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