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旅を分解して味わい尽くす――仲野太賀×上出遼平×阿部裕介が放つ“かつてない”旅行記「すごくシンプルで良い遊び」

マイナビニュース / 2024年12月28日 7時0分

阿部:でも、ニューヨークで3人で遊んで、お酒を飲まないでどこまでもテンション爆上がりした時に自分でもすごいなって思いました。

仲野:我々はめちゃくちゃ酔っ払ってるのに、同じテンションだったからすごいよね。

上出:たぶん、脳から興奮物質がずっと出てたんだと思う。

阿部:だから疲れやすいんですね。ある一瞬でドカーン!ってなれるんですけど。

上出:それが最高なんですよ。

○忘れられない「アップルモモ」

――上出さんの著書はいつも食リポが抜群なのですが、今回もまた美味しさの想像をかき立てられました。あれは後で思い出しながら書くのですか?

上出:その日の夜にメモってますが、録音を聴き返すと記憶と結びつきやすいんです。なので、それを思い出しながら書いてますね。

――この旅で印象深いのは、何と言っても「アップルモモ」ですよね。

上出:そもそもネパールのご飯が全部うまかったんですよ。アップルモモはその中でも突出した瞬間だったんで、あれは興奮したね。

仲野:いや本当に美味しかったですね! 作ってくれた女性のパン職人の方との出会いのシチュエーションも良かったので、忘れられない味です。

阿部:標高4,000m近くの岩肌のそばにあるベーカリーという普通じゃない状況で、まず美味しさが増すんですよね。

仲野:外から唯一聞こえる音が、経文を唱えるおじさんの声で…

阿部:厨房ではコンコンコンってりんごを切る音がして…不思議な世界だよね。旅をしている時はそれが当たり前のように見る景色ではあるんですけど、それをこうやってまとめて見直すと、「これってすごい光景なんだな」と気づけるんです。

上出:歩き旅なんで、突然景色が変わるってことはないんです。変化が緩やかで気づかないんですけど、後で写真とかを見ると「とんでもないとこにいたな!」と思って、それも面白いです。

――途中からガイド役を務めてくれたランタン谷の少年・パサンくんとの出会いも大きかったですよね。

仲野:阿部ちゃん、パサンに本持っていくんでしょ?

阿部:はい。旅でお世話になった人たちに完成した本を渡すのは使命だと思ってるので。みんなどういうふうに見てくれるのか、楽しみです。

上出:これは喜んでくれるんじゃないかな。

阿部:ランタン谷がここまで収まっている本は初めてだと思います。『地球の歩き方』でも、半ページに「世界一美しい谷」と書いてあるだけなので。だからある意味、急に来た外国人が三宿(東京・世田谷区)の本を作ったようなもんなんです。

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