「20世紀最後の大型新人」shelaが22年ぶりにワンマンライブ――復活までの紆余曲折と手に入れた“新たな強さ”
マイナビニュース / 2025年1月2日 7時0分
●歌と真剣に向き合いすぎた結果…
そもそも彼女は、アーティストであってYouTuberではない。YouTubeに自身の曲を流してファンに聴いてもらうことと、現状、真剣に歌と向き合うことができないプロとしての後悔。shelaとしてYouTubeに取り組むことに対し、中途半端な覚悟で向き合ってしまったのではないかと激しく苦悩してしまったのだ。それは時折、すべてを終わらせようとチャンネルを消すことも心に浮かんだほど…。
20年前の彼女は、歌と真剣に向き合いたいがために、がむしゃらに生きてきた。時に衝突を生み、そこからさらに良い結果が導き出されていったりもした。それほど彼女にとって歌は特別であり、大切であった。常に全力投球。中途半端な覚悟で挑めるようなものでは到底なかったのだ。
だが、そんな刹那に身命を賭して全力で駆け抜けていく衝動は、人を盲目にもする。
「今もファンでいてくださる方々の期待に応えられないと悩む一方で、あの頃の私は歌にがむしゃら過ぎて、私の曲を聴いて励まされたと言ってくれる優しいファンがこんなにもいたということに、正直、全然気づけていなかったと後悔、反省しました。そんな人たちに何かもっとできたのではないかと思い知らされたのです」
○熱心なファンが心を動かす「ネガティブからポジティブに」
中でも、とあるファンは、SNSを通じて「この歌が何十万回再生されたよ」「shelaを『THE FIRST TAKE』に出す活動をしよう」「USENにこの歌を皆でリクエストしよう」と熱心に投稿を続けてくれた。こんな自分のために……たった一人で……それで巨大な山が動くことなんてそうそうないのに――だが、この運動が徐々に広がっていく。
「職業的に歌手として、本来は私が歌で皆を励ましたり勇気づけたりしなければならない。でも今は逆に、ファンの方が私の心を動かしてくれたんです。先述した歌への取り組みの悩みが、ネガティブからポジティブに変わった瞬間でもありました」
彼女がファンのありがたさを本当の意味で知ったのとほぼ時を同じくして、友人から連絡が入る。「ライブをしてみたら?」──それは簡単な話ではない。会場をどうするのか、音源は使えるのか、クリアしなければならないことが山ほどある。ところが、まるで神の気まぐれかのごとく、様々なことがことごとく解決されていったのだ。まさに“奇跡”が起きた! そして……
「ライブをします」――SNSでその告知をしたところ、50人規模の会場ではあったが、たった1時間で300人を超える応募が押し寄せたのだ。かくして、22年ぶりとなるワンマンライブ『shela Special Fun Live』は実現した。
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