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PCテクノロジートレンド 2025 - Storage編「NAND Flash」「HDD」

マイナビニュース / 2025年1月6日 10時0分

こうした事を考えると、やはり2025年もメインストリーム向けは1TB~2TBあたりで、ちょっち高価格なのが4TBといった状況のまま変わらない事が考えられる。ただ2025年後半になると、8TB製品もぼちぼち出てくるかもしれない。

ちなみに価格がどこまでこなれるか、は予測が難しい。長期的に見ればbit単価が下がる方向に行くのは間違いないのだが、それは年単位の話であって2025年中の変動までは見通せない。Google先生に聞いてみたところこういう返事が返ってきた(Photo01)。

HDD

NAND Flashに押されて消える消えると言いつつ未だに健在なのがHDD。

理由はいくつかあって、一つは容量単価。昨年も触れたが、未だにNAND FlashはHDDを凌ぐ容量単価を実現出来ていない。昨年同様ちょっと価格を見てみたい。表1は1月3日現在のAmazonにおけるSeagate IronWolf Proと、同じSeagateのFireCuda 530Rを比較したものだが、容量単価は比較にならないのが判る。勿論SSDの方はもっと安い製品(例えばSamsung 990 Pro)もあって、こっちだと2TBだと同等まで落ちてるが、そもそもHDDの方は2TBなんぞ割高極まりない訳で、容量を大きくすると\4,200/TBあたりまで落ちているが、SSDは当然こんな域には達しない。

もう一つの理由は容量の絶対値である。2024年のハイライトは、熱アシスト方式がついに実用になった事だ。Seagateは2024年1月に、東芝は2024年5月に、WDは2024年10月に、それぞれ30TBクラス製品の発表を行った。2024年中はサンプル出荷が殆どであり、また当初はEnterprise向けということでリテールではなくサーバー/ストレージベンダーへの提供がメインであるが、2025年中にはこれがリテールまで降りてくることも予想される。というか既に20TBクラスのHDDは普通に買える(IronWolf Proも24TBまでAmazonに並んでいる)。この容量をNVMe SSDで実現しようとすると、例えばこういうものに4TB SSDを大量に装着する事になる。確かに馬鹿っ速にはなるだろうが、コストの方もうなぎ上りである。

ちなみに熱アシストの方式は、Seagateと東芝がHAMR(Heat Assisted Magnetic Recording:熱アシスト磁気記録方式)、WDはMAMR(Microwave Assisted Magnetic Recording:マイクロ波アシスト磁気記録方式)となっているが、どちらにしてもプラッタ1枚あたり3TBを実現。各社ともこの先プラッタあたり5TBあたりまでは視野に入っているとしており、ドライブあたり50TB時代が見えてきたことになる。既にNANDの側は積層数の伸びが次第に鈍化、多値化もデータの保持能力などを考えるとQLCが現在の限界であり、その先のPLC(Penta Level Cell:5bit/Cell)はまだ研究段階に留まる。というかQLCをPLCにしても、25%しか容量が増えないというあたりは、あまり助けにはならない事は明白である。

なので引き続きHDDはPCに欠かせないコンポーネントであり続けるだろう。昨年も触れたが、動画の記録が一般的になりつつあるが、カメラの高性能化もあって必要となる容量は増える一方である。個人的な話で言えば、2024年10月にSSTRに参加したのだが、その際の行程をInsta360 One RSで記録した。この動画ファイルの容量が2日分で1TB弱である。1080pで撮影してこれだから、最近の360°カメラ(Insta360 X4に結構心惹かれている)なんぞだと2TBでは効かないだろう。編集中に作業用SSDに移すのはアリだと思うが、常時SSDに保存するのはちょっと論外かと思う。
(大原雄介)



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