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知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第185回 値引き規制で一層冷え込む2025年のスマホ市場、大きく動くローエンドとハイエンド

マイナビニュース / 2025年1月6日 16時10分

画像提供:マイナビニュース

円安の長期化による価格高騰に加え、2024年末に再びスマートフォンの値引き規制がなされたことでスマートフォンは一層買いづらくなってしまった。スマートフォンメーカーにとってこれまで以上に輪をかけて厳しい市場環境となる2025年、大きく動くのはローエンドとハイエンドという、両極にあるスマートフォンではないだろうか。
ローエンドを制したメーカーが存在感を高める

2024年末に電気通信事業法のガイドライン改正が実施されたことで、スマートフォンの大幅値引き販売が再び困難な状況となった。長期化する円安が継続する限り、2025年は2024年以上にスマートフォンが売れないことが確約されたといっても過言ではない。

そしてこの影響を、とりわけ大きく受けるとみられるのはスマートフォンメーカーだ。市場がより一層冷え込むであろう2025年はメーカー各社にとって日本市場での生き残り策が大きく問われる年となりそうだが、2024年の傾向を振り返るに、2025年の日本市場でメーカーが取る施策は、大きく2つあると考えられる。

1つはローエンドスマートフォンの強化だ。携帯電話会社もスマートフォンの値引き規制が厳しく、売れなくなってきていることから調達するモデルを絞る傾向にあり、より確実に売れるミドルクラスのスマートフォン調達に重点を置くようになってきている。

だが携帯電話会社がいま最も欲しているのは、実はミドルクラスより安価な、3万円前後で購入できるローエンドのスマートフォンではないかと筆者は見ている。3万円前後であれば値引きなしでも安く購入できるし、電気通信事業法で認められている最小限の値引きを適用すれば、一括でも1万円前後で購入することが可能だ。

携帯電話会社にとって販売しやすいローエンドモデルはニーズが高まっている一方で、価格が安いだけに円安の状況下では利益を出すのが難しく、提供するメーカーが減少傾向にあった。実際、旧FCNTが経営破綻に至ったのも、携帯各社のニーズが高まったローエンドモデルに注力したところ、円安などが直撃して利益が出せなくなったためと見られている。

それだけに2024年は、そのローエンドモデルに力を入れたメーカーがシェアを大きく伸ばした印象を受ける。具体的に言えば、2023年10月にKDDI、そして2024年4月にソフトバンクから発売された「Redmi 12 5G」を提供する中国のシャオミや、2024年7月にソフトバンクのワイモバイルブランドから「moto g64y 5G」を提供した米モトローラ・モビリティなどがそれに当たる。

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