富士フイルム「X-M5」レビュー 小型軽量ボディは好印象も、EVFはやはり欲しい
マイナビニュース / 2025年1月8日 11時0分
なお、このカメラが苦手としているのが、激しく動きまわる被写体。これはAFの性能というよりは、ファインダーが搭載されていないことに起因するもので、サッカーのような動きが速くカメラで追うのが難しい被写体の撮影は厳しいことが多いと言えます。実際、撮影では正確にAFフレームを被写体に重ねることができず、ピントの甘い写真を撮ってしまうことが多々ありました。前述の被写体検出AFを使えばよい場合もありますが、例えば複数の人物が画面内にいる場合、条件によってピントを合わせたい人物でなく他の人物にピントを合わせてしまうことがありますので、使用する際はその旨留意しておく必要があるでしょう。
シャッター方式は、メカニカルシャッター(MS)、電子シャッター(ES)、電子先幕シャッター(EF)に加え、1/4000秒まではメカニカルシャッターでそれより高速側は電子シャッターとする「メカニカル+電子 (M・E)」、1/2000秒までは電子先幕シャッターでそれより高速側はメカニカルシャッターとする「電子先幕+メカニカル(EF・M)」も搭載しています。実はこの2つのシャッター方式、以前からXシリーズには採用されているもので、なかでもポートレートなど絞りを開いて撮るような条件では「メカニカル+電子」を設定しておけば、メカニカルシャッターと電子シャッターの切り替えがシームレスに行われるため、便利な機能と言えます。ちなみに、メカニカルシャッターおよび電子先幕シャッター選択時の最高速は1/4000秒、電子シャッターは1/32000秒となります。デフォルトのシャッター方式はメカニカルシャッターとなります。
同じく以前からXシリーズに搭載されている機能で、X-M5ユーザーは知っておきたい機能として「プリ撮影」があります。これは、シャッターボタンの半押し状態から全押しすると、その直前の画像も記録するもの。電子シャッター選択時に有効で、1.25倍のクロップでは最高30コマ、クロップなしでは最高20コマをさかのぼって記録できます。昆虫や鳥の飛び立つ一瞬、ミルククラウンができる瞬間など、シャッタータイミングを逃しやすい被写体の撮影に効果的な機能と言えます。なお、電子シャッターのローリングシャッター歪みは、被写体の動きの速さによっては若干目立つこともありますが、このクラスのカメラとしては悪くないように思えます。
撮影を楽しむ機能が充実している「X-M5」ですが、その最たるものがアドバンストフィルター機能と言えるでしょう。さまざまな効果が撮影時に付加でき、特徴的でユニークな仕上がりが得られます。この機能自体は古くからあるものですが、スマートフォンで撮影した画像をアプリを使い誰でも簡単にいじれるようになった今こそミラーレスでも見直されてもよさそうな機能です。搭載するフィルターは全部で8つ。トイカメラ/ミニチュア/ポップカラー/ハイキー/ローキー/ダイナミックトーン/ソフトフォーカス/パートカラー(レッド/オレンジ/イエロー/グリーン/ブルー/パープル)となります。なお「FUJIFILM XApp」アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットであれば、X-M5からの画像の転送やカメラのリモート操作も可能になります。
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