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富士フイルム「X-M5」レビュー 小型軽量ボディは好印象も、EVFはやはり欲しい

マイナビニュース / 2025年1月8日 11時0分

動画機能についても少し触れておきます。最高画質は6.2K/30P、そのほか4K/60Pでの撮影に対応しています。また、スマートフォンでの閲覧やSNSなどへのアップを考慮した、9:16の縦構図のショート動画撮影モードも搭載しています。このカメラを使って動画撮影を楽しみたいと考える人に最も琴線に触れる部分かもしれません。TikTokをはじめ、今やSNSでは縦位置動画が一般的ですが、それに応えたものといえます。記録時間は15/30/60秒から選べます。また、撮影者の顔の前に被写体を置いたような場合、ピントが顔から手前の被写体に滑らかに切り替わる「商品撮影モード」や、人物の背景を自然な感じにボカす「背景ボケモード」、3段階でレベルの設定できる「美肌モード」など、動画撮影を楽しむのにあると便利な機能が充実しているのも本モデルならでは。動画愛好家の方々は積極的に活用してほしい機能です。

前述したように、静止画撮影で有効なセンサーシフト方式の手ブレ補正機構は残念ながら省略されていますが、動画用の電子式ブレ補正機能はしっかり搭載しています。別売のグリップ「TG-BT1」をカメラに装着して歩きながら撮影したり、ぐっと被写体に寄ったとき、あるいは望遠レンズを使用した撮影など、心強い味方となるはずです。冷却ファン「FAN-001」の装着が可能なのもX-M5の特徴のひとつ。長時間の撮影や夏場など高温環境での動画撮影で、イメージセンサーなどから発生する熱を抑えるアクセサリーです。電源はカメラ側から給電されますので、使用の際はバッテリーを多めに持ち歩くとよいと思われます。

X-M5は写真を手軽に、そして緩く楽しむには必要にして十分なカメラだと思われます。上位モデルと同等の機能を搭載し、そしてコンパクト。富士フィルムミラーレスの売りでもあるフィルムシミュレーションも思いついたときに素速く設定することが可能。被写体認識AFによってピントも大きく外れることはなく、とにかく撮影することが楽しいカメラに仕上がっています。価格も比較的手の出しやすいもので、今後人気を博しそうです。

願わくは、もう少し静止画撮影寄りのつくりで、電子ビューファインダーを搭載するモデル、つまりいつの間にかカタログから消えてしまった「X-E4」の後継モデルもメーカーには検討してほしく思えます。X-M5は実質X-E4の後継モデルだから名前の数字がシリーズ初号モデルでありながら“5”なんだよと言わずに、正真正銘の“X-E5”の登場を強くお願いしたいところ。本モデルを見るたびに、またシャッターを切るたびに、私個人はそう思わずにはいられませんでした。

著者 : 大浦タケシ おおうらたけし 宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマンやデザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般紙、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。日本写真家協会(JPS)会員。 この著者の記事一覧はこちら
(大浦タケシ)



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