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東奔西走キャッシュレス 第73回 デジタル給与払い2社目はリクルート、即払いで口座出金も自由に

マイナビニュース / 2025年1月9日 7時30分

利用料金として即払い利用者1人当たり330円(月額)、即払い1回ごとに110円の手数料が発生し、それがリクルートの収益となります。これには銀行振り込みの手数料なども含まれています。「COIN+」の場合も、同様に1回ごとに即払い手数料として110円が発生しますが、実質即払い手数料が無料となるキャンペーンも実施されるため、手数料が安価になります。ちなみにこの手数料自体は、事業者負担か労働者負担かを選択できます。

渡辺氏は、実は事業者側のメリットはあまり多くはないと話します。110円の手数料が無料キャンペーンで安くなりますが、特に大きなメリットに繋がるわけではないとしています。

労働者側にとっては選択肢が増えるという点がメリットです。「COIN+」は対応する銀行口座への出金が無料で行えるため、「エアウォレット」を使うことで登録した銀行口座に自由に出金できます。

2つの銀行口座を登録していると、「COIN+」を経由する口座間の送金も無料で行えるため、労働者が口座を使い分けられ、投資用口座と生活費口座を分けている場合など、入金先を自在に変更できます。これまでだと、1つの銀行口座に振り込まれていた給与は、送金すると手数料がかかるのでわざわざ給料日に下ろして預け替えるといった人もいました。

最近は、「ことら送金」で無料の銀行間送金もできますが、「COIN+」へ入金されれば、手動ではあるものの、アプリを使って対応口座に自由に送金できます。こうした点では、労働者側にメリットがありそうです。

もちろん労働者は、従来の銀行口座への給与振り込みを選んでも問題ありません。というより、「Airワーク 給与支払」の仕組みでは、労働者側が給与受け取りの申請や振り込み先をその都度選択する形なので、銀行口座も「COIN+」も使い分けられます。事業者側はまとめてリクルートに支払いを行うので、どちらにしても手間は発生しません。

渡辺氏によれば、即払いを事業者が採用することで求人に対する応募が増えるという調査結果があるそうです。人手不足もあってスポットワークを利用する人も増えていますが、スポットワーク事業者を経由せずに、以前のアルバイトや現在のアルバイトの友人といった、ツテを頼ったスポットワークを利用する飲食店はそれなりにあるそうです。

そうした場合に、「Airワーク 給与支払」に登録することで、臨時のスポットワーク的にアルバイトに入ってもらっても即時の給与支払ができるという点は、求人に対する訴求ポイントになるかもしれません。

渡辺氏も、一斉にデジタル給与払いが進行するという予測は立てておらず、一部のニーズに応えるための取り組みだとしています。

政府の規制改革推進会議は、2024年12月25日に公表した中間答申において、デジタル給与払いの見直しの検討について言及しています。その中で、銀行口座を持たない外国人などの労働者でもデジタル給与払いを利用できるようにする方向性が示されています。これは、デジタル給与払いが当初から想定していた方向性で、一定のニーズがありそうです。

この答申の中では、デジタル給与払いを提供する事業者の要件も緩和する方向性が示されており、現在の審査通過の2社+申請中の事業者2社という4社だけでなく、さらに決済サービスも増えるかもしれません。

もちろん、給与を保全するという安全性の確保の必要性はいうまでもありませんが、今後もデジタル給与払いの動向は注目です。
(小山安博)



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