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「認知症」は治るの? 予防法や初期症状など気になるギモンを医師が解説

マイナビニュース / 2025年1月19日 10時30分

――今の医療では、根本的な治療をするというのは難しいのですね。

残念ながら低下した認知機能を改善することはできませんし、進行を止めることもできません。将来的にも、これらは難しいのではないかと思います。それでは医療はどこを目指すのか。これは私の予想ですが、認知症になりにくくしたり、発症を遅らせたりする薬を開発する、そんな方向に向かっていくのではないでしょうか。

例えば発症を10年遅らせることができれば、それまで80歳で認知症になっていた人が90歳で発症することになる。そうすれば寿命にも近づき、認知症にならずに生涯を終えることができる。この10年間はとても大きいと言えるでしょう。
認知症の予防法

――認知症の予防に効果的なことはありますか?

残念ながら、「こうすれば認知症にならすに済む」という予防方法はありません。「認知症になりやすい」というリスクを避け、発症率を下げることが現実的です。

ただ本人が努力しても、どうすることもできないリスクがあります。例えばアルツハイマー型認知症という病気は、男性より女性の方がなりやすいことが報告されています。また、ご家族がアルツハイマー型認知症になった人は、発症のリスクが高いと言われています。

母親が60~70代の頃にもの忘れがひどくなった、そこで検査したらアルツハイマー型認知症だった、という人のお子さんは、同じくらいの年齢になったとき、かなりの確率で認知症を発症する印象があります。これは、本人が気をつけてもどうにもならないリスクの例です。

そのほか、脳をたくさん使っているか否か、という観点では、高学歴の人は認知の貯金があるといえるでしょう。では、認知症予防のために今から勉強を始めることは効果があるのでしょうか? これは人間の脳が発達するまでの期間に、どれだけ良い刺激を与えられたか、という話なので、予防効果がないわけではないですが、効果はそれほど大きいものではありません。

――では、自分でコントロールできるリスクを教えてください。

本人が気をつければ改善できるリスクもあります。ただ、それらを全部合わせても、発症を40%~45%ほど予防できるに過ぎません。

例を挙げれば、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、このような生活習慣病をしっかりと治療していくことはリスク低減の1つの方法です。また、耳が聞こえなくなると脳への刺激が減りますので、難聴も認知症のリスクになります。これらの対応は中年の時期から始めることが大切です。

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