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DX時代におけるサプライチェーンリスクとマネジメントのあり方は? 第1回 顕在化するサプライチェーンのリスクと対策の実態

マイナビニュース / 2025年1月14日 13時0分

上記のような混乱の中で露呈したサプライチェーンの問題とは、その構造が、従来考えられていたピラミッド型ではなく、ダイヤモンド型を形成しているという点であった。自社のサプライチェーンが系列企業内で完結しているピラミッド構造であれば全容の把握が比較的容易だ。しかし、サプライヤーが別の企業系列にも供給している場合には、影響度の把握、生産を再開するための支援、残っている在庫のアロケーション(配分・割り当て)の調整などにおいて、他系列企業も巻き込んだ複雑なマネジメントが必要となってしまう。

このようなダイヤモンド構造が生まれた原因の一つは、グローバルでの競争が激しくなり、徹底的な効率化・低コスト化が追求されると同時に、差別化のために完成品メーカーが部品メーカーに対して独自仕様を要求するようになったからと見られている。

部品メーカー側としては低コストと小ロット生産を両立する必要が生じ、体力をつけるための合従連衡が進行。また競争に負けた企業が退出していくことで、部品メーカーの寡占化が進んだ。さらに、部品メーカーは効率化を求めると、必然的に製造拠点を集中する方向に動いていく。こうして、特定のメーカーが「アキレス腱」となる脆弱な構造が構築されていった。

このような複雑な構造を原因として、「自社のサプライチェーンの可視化ができていない」こと、そして「リスク事象が発生した際にそれを覚知し、どのような影響があるのかを把握できない」ことが、現在のサプライチェーンの課題として重くのしかかっている。

Spectee 取締役 COO 海外事業責任者 根来諭

1976年 東京都生まれ。防災士・企業危機管理士。1998年にソニー株式会社入社。法務・知的財産部門、エンタテインメント・ロボットビジネスでの経営管理を経て、Sony France(パリ)、Sony Electronics Asia Pacific(シンガポール)、Sony Middle East and Africa(ドバイ)にてセールス&マーケティングを担当。中近東アフリカ75カ国におけるレコーディングメディア&エナジービジネスの事業責任者を最後に、2019年 Specteeに参画。
著書に「シン・危機管理」(みらいパブリッシング) / 「サプライチェーン強靭化」(中央経済社)。
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