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『べらぼう』蔦重(横浜流星)のひらめきシーンに視聴者最注目 第1話画面注視データを分析

マイナビニュース / 2025年1月12日 6時0分

このシーンは、蔦重が受けた斬新なお仕置きに視聴者の注目が集まったと考えられる。

蔦重にとって幼いころから面倒を見てくれた朝顔(愛希れいか)や浄念河岸の女郎たちが餓死したことは大きなショックだったのだろう。蔦重は反権力の精神と行動力に満ちあふれた人物だったと伝わっており、ここまでの展開を通して作中でもよくその性格が描かれている。なりふり構わず女郎たちのために行動する蔦重は、情に深い魅力的なキャラクターであるが、今はまだ下っ端にすぎない。老中・田沼意次に陳情までしてしまう暴走ぶりに視聴者もヒヤヒヤさせられたのではないだろうか。案の定、蔦重は親父様方にシバかれてしまった。

SNSでは、「あんな桶に三日三晩も閉じ込められるなんてこわい…」「1話で主人公が袋叩きにされて桶にまで閉じ込められるなんて、すごい大河ドラマだな」「こんな桶の使い方があったんだな」と、衝撃的なお仕置方法に驚がくの声が上がった。

今回採用されたこのお仕置き方法は、「桶伏せ」と呼ばれるもの。本来は吉原で遊んだのに、代金を払えなかった客に対して行われた私刑だ。着の身着のままで閉じ込められ、糞尿も垂れ流しでさらしものにされるという過酷な刑だった。唐丸や次郎兵衛(中村蒼)が励ましてくれたのがせめてもの救いだった。

また、女郎屋の主人たちの鬼畜っぷりにも注目が集まっており、「忘八達がそろって歩いてくるシーン、悪役集団の良さが詰まってる」「まるでアベンジャーズやね」といったコメントがアップされている。脚本の森下佳子氏も初回の女郎屋の主人たちの悪逆非道っぷりを見て、「ひどいなって思いながら書いたけど、実際にみるともっとひどい」と、俳優陣に対してこの上ない称賛を送っている。

「忘八」とは儒教における「八徳」である仁(じん)・義(ぎ)・礼(れい)・智(ち)・忠(ちゅう)・信(しん)・孝(こう)・悌(てい)を忘れたものを指す。仁は人に対する思いやりや愛情、儀は正義感、礼は礼儀、智は知性、忠は忠誠心、信は信頼、孝は親孝行、悌は兄弟愛をあらわす。こういった徳を忘れた倫理観や道徳心を持たない最低な人間という意味であり、転じて女郎屋やその主人を指す言葉としても使われていた。かなりインパクトの強いワードだ。今年の流行語大賞を狙えるかも知れない。

●田沼意次「お前は何かしているのか」
3番目に注目されたシーンは20時47分で、注目度74.9%。

蔦重は吉原の太客である和泉屋三郎兵衛(田山涼成)に乗っかり、老中・田沼意次の部屋に潜り込むことに成功していた。「恐れながら、吉原も運上・冥加を納めております」蔦重は意次と和泉屋の会話に割り込み、なんと意次に直談判を始める。岡場所によって吉原の末端の女郎たちが困窮にあえいでいる実情を懸命に訴え、岡場所へ警動を行うように願い出るが、老中として宿場町の発展による国益を第一と考える意次は蔦重の申し出を拒絶する。蔦重は必死に食い下がるが、理路整然とした意次の考えに蔦重は次第に返す言葉を失くしていった。

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