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原始銀河は球状星団の先祖? - アルマ望遠鏡とJWSTが134億光年彼方に新発見

マイナビニュース / 2025年1月15日 17時45分

画像提供:マイナビニュース

アルマ望遠鏡は1月10日、134億光年先で誕生したばかりの原始銀河の中で水素原子や酸素原子が放った輝線を検出して銀河の原子輝線観測の最遠方記録を更新することに成功し、その観測データを詳細に解析した結果、これまでほとんど手がかりのなかった初期宇宙における原始銀河の性質を解明し、観測した原始銀河が球状星団と非常に似ていることがわかったと発表した。

同成果は、国立天文台のJorge Zavala特任助教が率いる国際共同研究チームによるもの。研究成果は4本の論文としてまとめられ、1本は米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal Letters」に、もう1本は英科学誌「Nature」系の天文学術誌「Nature Astronomy」に、そして3本目・4本目は米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal」(論文3本目・論文4本目)に掲載された。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測が2022年にスタートすると、今回のターゲットである「GHZ2」(あるいはGLASS-z12)を含む、予想よりも多くの原始銀河の候補が初期宇宙において発見されるようになった。ただし、現在の銀河形成理論を検証し、銀河の初期形成過程を理解するには、そうした遠方銀河の候補を確認することに加え、その物理的な性質を解明しなければならず、それには原子や分子から放たれる特徴的な輝線を分光観測で捉える必要があった。しかし当然ながら、そのような観測を極めて暗い遠方銀河に対して行うことは容易なことではない。

そうした中で研究チームは今回、現在知られている中で最も遠方の銀河からの微弱な信号を捉えるため、ヒトの目ではまったく何もないようにしか見えない、GH22が存在する領域に対して、アルマ望遠鏡の12mアンテナ40台以上を使用した観測を行うことにしたという。また今回の観測では、JWSTによる長時間の観測も実施された。

観測の結果、これまでは観測されていなかった、130億光年以上を上回る、非常に初期の宇宙かにおいて、生まれたての原始銀河であるGHZ2の中で、水素原子や酸素原子が放った輝線を捉えることに成功。そして詳細な分析が行われた結果、GH22のような極めて遠方の原始銀河に関する、知られざる性質が少しずつ明らかになってきたとする。

アルマ望遠鏡が今回の観測においてGH22の中から2回検出したのが、電離した酸素原子が放った輝線(静止系88μm)だ。その赤方偏移の値がz=12.333であることが確認された。これは、GH22が、宇宙の年齢が現在のたったの3%、ビッグバンから4億年しか経っていない初期宇宙に存在していたということを示す。つまり、この原始銀河がこれまでで最も遠い134億光年先にあることを確かめたことになり、現在知られている中では最も遠い銀河から放たれた原子輝線の記録となった。

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