こんなときどうする!? 認知症Q&A 第1回 認知症の父がぬれたリモコンをコンロで乾かしている、どうすればいいですか?
マイナビニュース / 2025年1月21日 10時30分
少子高齢社会となり、認知症患者の数が増え続けています。厚生労働省の研究班が公表した推計結果によると、2025年の患者は認知症が約472万人、軽度認知障害(MCI)が約564万人にのぼるとされています。これは65歳以上の約3割が認知症であることを示しており、決してめずらしい病気ではないことがわかります。
では、もし家族が認知症を患ったら? 介護をする上での心構えは? 本連載では、マイナビニュース読者を対象にしたアンケートで集まった「認知症に関する悩み」を、専門家にぶつけてみました。話を聞いたのは、近畿大学 医学部 精神神経科学教室の橋本衛主任教授です。
今回は「認知症患者の父親が、ぬれたテレビのリモコンをコンロであぶって乾かそうとしていた」という相談です。早速見ていきましょう。
○認知症の父がぬれたリモコンを火で乾かしている! 対処法とは
――父が認知症です。ある日、テレビのリモコンがぬれてしまい、ガスコンロであぶって乾かそうとしました。危険な行為だと思います。今後、どのように対処すれば良いでしょうか?
そうですね。まず認知症の方が、なぜそういった行動をとるのか考えてみましょう。ぬれたから火であぶって乾かしたい、という単純な発想になっているんですね。
そのとき、やけどを負うかもしれない、乾電池が破裂するかも、ほかに火が燃え移って火事になるのでは……? といった危険性まで考えがおよびません。これが認知症の主症状である『認知機能の低下』です。こうした問題を根本的に解決する手立ては「認知機能を回復させる」以外になく、難しいのが現状です。
だから、そういうことが起こらないように予防すること、やってしまったら「仕方がない」と納得することが大事です。認知機能の低下により「何か」ができなくなって起こる今回のような間違いや事故を100%防ごうと思ったら、ご本人のそばに張り付いて、1日中見守り続けなければいけません。
――1日中、見守り続けるのは難しいですよね……。
そう、なかなかできないですよね。だから、命に危険がおよぶことからはできるだけ遠ざけるけれども、そうじゃないものについては、ある程度は目をつぶらざるを得ないと思います。
「完璧な介護」というのはありません。ただ、100%予防できなくてもリスクを50%、60%にすることは可能かもしれません。よほど危険なことがあったら徹底して対処するけれど、危険度が低いようなことに関しては、大目に見ることも必要です。
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