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国立天文台、従来の説を覆す新タイプの大気を持つスーパーアースを確認

マイナビニュース / 2025年1月16日 17時40分

画像提供:マイナビニュース

国立天文台は1月15日、スーパーアースに分類される太陽系外惑星「GJ 1214 b」をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いて観測したデータと、理論シミュレーションを組み合わせた結果、従来説とは異なる、二酸化炭素(CO2)を主成分とする太陽系には見られない新しいタイプの系外惑星であることが確認されたと発表した。

同成果は、国立天文台 科学研究部の大野和正特任助教や、米・アリゾナ大学スチュワード天文台の研究者らを中心とした国際共同研究チームによるもの。研究成果は2本の論文にまとめられ、どちらも米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載された(論文1本目・論文2本目)。

NASA Exoplanet Archiveによれば、系外惑星は2025年1月9日時点で、5819個がその存在を確認されている(系外惑星候補はさらにたくさんあるが、探査衛星が発見した候補天体は必ずしも系外惑星とは限らないため、地上の大型望遠鏡による精密な追観測で確かめられてはじめて存在が確定される)。系外惑星にもさまざまなサイズが存在し、地球サイズ、地球サイズと海王星の中間程度の岩石型惑星(スーパーアース)、海王星サイズのガス惑星、そして木星サイズ(木星よりも遥かに巨大で、褐色矮星に近いものも含む)の巨大ガス惑星と4種類に大別されている。発見が確認されている5819個のうち、最も多いのが海王星型の1989個で、その次が巨大ガス惑星の1874個、スーパーアースが1739個、そして地球サイズが210個となっている(そのほか分類不能が7個)。

地球より大きく海王星よりは小さいスーパーアースは、太陽系には見られないこともあり、その組成を巡っては議論が続いている。岩石型惑星に分類されているが、岩石質のコアの周りに水素に富む外層部を持つ惑星なのか、それとも氷でできたコアの周りにほとんどが水蒸気で構成された外層部を持つ惑星なのかの2つが主要な仮説だ。

両者は平均密度が似通っており、質量と半径の測定だけでは区別できないため、天文学者たちは、大気を観測することでその区別を試みている。これは分光法を利用したもので、光が惑星の大気を通過する際に特定の波長が吸収される性質を解析することで行われる。ところが、そうした系外惑星は大気が厚い雲に覆われていることが多く、これまでの観測では上層の雲が邪魔をして雲の下の大気や内部構造を研究することが困難だったとする。そこで研究チームは今回、半径が地球の約3倍、質量が約8倍(このデータは不確定性が含まれている)のスーパーアースに分類される系外惑星「GJ 1214 b」を、JWSTを使って観測し、詳しく調べたという。

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