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エンタープライズIT新潮流 第40回 「茹でガエル」にならないための危機感へのセンス

マイナビニュース / 2025年1月20日 10時1分

8つのアクセラレータの実践方法

今回話題にする最初の「危機感を生み出す」においては、従業員に大きなチャンスがあることを示し、そのチャンスをいち早くつかまなければいけないという危機感を生みだします。これはリーダーの仕事ですね。ポイントは、危機感は、機会損失や市場シェア減など、具体的な危機にしないと共感が得られないということです。

この危機感を持たないとどうなるのでしょうか?筆者がマイクロソフトで働いていたとき、マイクロソフトはGoogleを無視しました。当時のCEOは「あんなの敵じゃない」と社内ミーティングで言っていました。スマートフォンはAppleに、モバイルOSはAppleとGoolgeに、メディアはNetflixにやられましたよね。危機感を持ったとしても競合の成長は止められなかったかもしれませんが、もう少し対策はできていたと思います。クラウドはよく持ち直したと感心はします。

しかし、そもそも危機感はどのように作るのか疑問が湧きますね。会社がどうなるのだろうという一抹の不安や恐怖を感じることはありますが、危機感はより具体的で、自社が置かれている状況を把握しなければなりません。ヒントとして、最近筆者が読んだ書籍『ディスカバリー・ドリブン戦略 - かつてないほど不確実な世界で「成長を最大化」する方法』(東洋経済新報社 著者:リタ マグレイス)では、次の8つの行動をとりなさいと述べていました。

行動1:情報を役員室に流れるしくみをつくれ
行動2:思考の多様性を常に考えろ
行動3:アジリティを発揮し、バランスをとれ
行動4:小さな賭けを促進せよ
行動5:屋外の外へ踏み出す
行動6:言いにくいことでも、重要な情報は明らかにする
行動7:現実から逃げない
行動8:今、展開しつつある未来と向き合う

まぁそうですよね。会社の外をみて、センサーを持つ社員の多様な意見を取り、素早く行動せよということです。特に役員の人がそのようなリーダーシップを取ることが大事です。ただ、他責にしないで、自分でも同じような行動を取ることも重要です。危機は役員だけでは乗り切ることが不可能で、全社を挙げて共通認識を持ち取り組む必要があるのです。
"茹でビジネスパーソン"にならないために

この中で筆者が実践していることを少し説明します。「思考の多様性を常に考えろ」では、筆者は雑多な書籍や海外の最先端の記事を読んで、いろいろな観点で知識を吸収しています。また、未来と過去を想像の中で行ったり来たりできる人間の特性を生かし、空間で物事を考えるようにしています。特に未来に関しては、未来を起点に今の環境を見るようにしています。

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