20代から高めておきたい投資・資産運用の目利き力 第127回 「金融教育は小学校から始めないと」―教育無償の全寮制私立小学校で“金融リテラシー”をアップデートする
マイナビニュース / 2025年1月31日 9時0分
――事業やIPOは手段とのことですが、東小薗さんの金融や教育への想いは、事業ともリンクしていますね。
東小薗:そうですね。事業についてもお話しておきますと、「AI定性与信技術」によって、従来であれば金融取引ができなかったような人や企業にも金融サービスを利用する機会を提供しています。AI与信審査、保証、ファクタリング、後払い決済、請求代行SaaSなどの金融サービスをご提供しており、その中から金融機関向けの与信審査を切り出した形です。
各社で与信審査の仕組みはあるわけですが、審査の結果「取引できない」というとき、今までならただ失注していただけなのですが、弊社が金融機関向けにスコアをご提供し、オプションで債権の保証や債権の買取もできるので機会ロスを減らせるというメリットがあります。金融機関にとっても、ユーザーにとっても、機会ロスを減らすことのできるのがAI与信審査です。
詳細は開示できませんが、法人であれば250項目のスコアリングで審査しています。家賃保証や外国人の方の与信も可能です。例えば従来の自動車のローン審査でNGだが弊社の審査では2~3割が取引可となり、家賃保証では5割ほどが取引可になりました。機会ロスをなくして経済をよくすることが、私たちの役割です。
○ベンチャー・スタートアップ企業もデットの活用を
――ベンチャー・スタートアップ企業は、エクイティ・ファイナンスについては明るい人が多いですが、金融機関からの融資(デット・ファイナンス)についてはあまり活用できていない企業も多い印象です。これも機会ロスと言えばそうですよね。
東小薗:そう思います。弊社では金融機関と協業してベンチャーデットの保証を行っており、2023年の3月から2024年10月までで116件の与信審査を行い、43件は審査通過して融資実行に至っております。業種はバラバラなのですが、経営陣からとても喜ばれています。
ベンチャー・スタートアップ企業の与信審査というのは、まだまだ確立していない領域です。融資を申し込んでも、「難しい」と言われてしまい、諦めてエクイティにばかり目がいってしまう。それは双方にとってもったいないことなので、AI与信審査を活用していただいています。金融機関やVC、財務コンサルティング会社、株主の方などからご相談をいただき、一次審査ではAIスコアリングで定性を、二次審査では財務で定量をみていきます。実際には一次で9割審査結果は決まっており、定性なのでより多くのベンチャー・スタートアップ企業のファイナンス支援ができるわけです。それが、日本経済を底支えすることにつながっていると思います。ちなみにデフォルトは0件です。
事業はあくまでも手段なのですが、しっかりと事業基盤をつくって、小学校設立を一日でも早く実現できるようにしたいと思います。
中島宏明 なかじまひろあき 1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。監修を担当した書籍『THE NEW MONEY 暗号通貨が世界を変える』が発売中。 この著者の記事一覧はこちら
(中島宏明)
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