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精緻を極めた“極小アート”に脳がバグる愉楽‐「ミニチュア×百段階段」ホテル雅叙園東京で開幕

マイナビニュース / 2025年1月23日 11時5分

画像提供:マイナビニュース

東京・目黒のホテル雅叙園東京で、企画展「ミニチュア×百段階段~文化財に広がるちいさな世界~」が開催されています。同ホテルが有する東京都指定有形文化財「百段階段」の7つの部屋に、19人の作家・蒐集家による多彩なミニチュアおよそ1,150点が大集結。この空間でしか味わえないミニチュア展の見どころの一部をご紹介します。

文化財「百段階段」は、1935年(昭和10年)に建てられた、同ホテルで現存する唯一の木造建築。99段の長い階段廊下が7つの部屋をつなぎ、当代屈指の画家たちによって趣向を凝らした絵や彫刻で装飾された部屋には、江戸時代から伝わる美意識と昭和初期のモダニズムが息づき、その絢爛豪華さで“昭和の竜宮城”とも称されていたとか。

○脳がバグりそう……精緻な、あまりに見事なミニチュアたち

ひとことで「ミニチュア」と言っても、食べ物や豆本など指先サイズの極小アート、美しいドールハウス、建築模型やジオラマ、小さなものを愛でる“ひいなあそび”に由来するお雛様など、そのジャンルは多岐に渡ります。1つめの部屋では、「ミニチュアの饗宴」と題し、多彩な作家によるミニチュアたちが夢の共演。かつての宴会場「十畝の間」(じっぽのま)を現代風にしつらえた華やかな空間に、遊び心あふれる豆本、エモさ漂う昭和の情景を表現したミニチュアフード、キュンが止まらなくなるガーリーなアイテムといった作品群が所せましと集います。

グッと顔を近づけて覗き込み、少し引いた目線から情景を感じ、俯瞰で世界観を味わって、また至近距離で凝視。そんな風に視点を変えるたびに驚かされ、わあ、おおお、すご~! と、言葉にならない感嘆詞が口をつく。小さな世界を創り出す超絶技巧の職人技に感動し、細部にわたるあまりのマニアックなこだわりぶりに、ときには笑ってしまうほど。ひと部屋めから見どころだらけで作品ごとに足が止まり、時間が経つのも忘れてずっと眺めてしまいます。
○かっこよ!! 『用心棒』の名場面を再現したミニチュアハウス

続く2つめの部屋は、文化財「百段階段」で一番豪華といわれる「漁樵の間(ぎょしょうのま)」。なのですが、今回そんな絢爛豪華な室内で目にするのは、段ボールサイズのいくつもの箱たち。最初は「あれれ?」と戸惑いますが、実はこの箱は遠近法のミニチュアハウス。箱の正面から中を覗くと、なるほど、謎が解けました。

斜陽館(太宰治記念館)など実在する名建築や、さまざまな京町家を模したミニチュアハウスは、奥にいくほど狭く、天井は低く、床が高く作られているそう。これらを手がけたミニチュアハウスアーティスト、島木英文さんが“元建築士”の経歴を活かして用いた遠近法による絶妙な奥行き感には、終始唸らされっぱなし。残念ながら島木さんはこの企画展の準備している最中に他界されたそうですが、黒澤明の名作『用心棒』のワンシーンを再現した作品など震えるほどカッコいいので、ぜひ肉眼でご覧いただきたいです。

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