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精緻を極めた“極小アート”に脳がバグる愉楽‐「ミニチュア×百段階段」ホテル雅叙園東京で開幕

マイナビニュース / 2025年1月23日 11時5分

○秋葉原や新宿の雑踏や喧噪まで表現したジオラマの臨場感

続く「草丘の間(そうきゅうのま)」で出会うのは、先ほどのミニチュアハウスとは打って変わってダイナミックなジオラマたち。「秋葉原大通り」「新宿大ガード」といった誰もがよく知る街の景色を、雑踏や喧噪、その街特有の空気感まで生き生きと再現したジオラマは、千葉経済大学 模型部の作品です。秋の学園祭に出展するために部員たちは毎年テーマを1つ決め、約3カ月間をかけて制作しているそう。最新作の「横須賀軍港の風景」では、海上の艦船や湾岸施設から三笠公園、どぶ板通りといった街並みまで、“ザ・横須賀”な景色と風情が1/700スケールにギュッと詰め込んで再現されていました。

「静水の間(せいすいのま)」には、昨冬の企画展「百段雛まつり」に出展していた雛道具研究家、川内由美子さんのコレクションが今回もおめみえ。実物と同じ工程で作られた江戸期の高級人形店「七澤屋」の雛道具や、最小クラスの木製お雛さま、約5ミリのほど極小サイズの貝殻に源氏物語54帖が描かれた合わせ貝など、贅を極めた約1,000点の貴重な作品は必見です。

○本棚で見つける小さな世界。最後は自分がミニチュア世界へ……

本展のメインビジュアルにもなっている「本の間の小さな世界」は、路地裏BOOKSHELF作家・mondeさんの作品。本棚に並んだ本をよく見ると、本と本の間に“小さな世界”が出現しています。ニューヨークや香港の街角、飲み屋横丁、木造住宅など、どこかノスタルジックな雰囲気をまとった小さな世界。うっかりすると見逃してしまうほど自然に本棚の中に紛れ込んでいるので、作品の見逃しにはくれぐれもご注意を。

クライマックスの「頂上の間」で待ち受けるのは、「不思議の国のアリス」ならぬ、“和の国のアリス”をテーマにした不思議空間です。極彩色のジャイアントフラワーがもたらす錯覚によって、自分自身がミニチュア化してしまう。まるで不思議の国に迷い込んだアリスのごとく、迷路のように区切られた室内を彷徨い、咲き誇る巨大な花々によって、それまで鑑賞してきた世界に今度は自分が入り込み、ミニチュア世界を体感する。そんなひねりの効いた趣向の空間展示で、展覧会は幕を閉じます。

レトロな名建築が舞台のミニチュア展だけあって、ジャンルの異なるおよそ1,150点の作品の魅力はもちろん、作品の背景となる館内装飾や空間との相乗効果、さらにミニチュア世界に没入するような体感型展示と、何重にも楽しめる構造になっている同展。ホテル雅叙園東京で、3月9日まで開催です。

■information
「ミニチュア×百段階段 ~文化財に広がるちいさな世界~」
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
期間:3月9日まで(11:00~18:00/月曜休)
料金:当日券1,600円、大学・高校生1,000円 / 小・中学生800円
(佐々木 ヒサ)



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