マイナス15度の極寒の中、北海道の美瑛町で「雪中自転車耐久レース」の熱い戦いを繰り広げた
マイナビニュース / 2025年1月24日 6時11分
札幌市から美瑛町までは車で約2時間半。岩見沢市を抜けて山間部を走り、美瑛町に入るころになって、やっと夜が明けてきた。
時刻は午前6時30分。ふと目を上げると、目の前には美しい朝焼けが広がっていた。眠気が一気に覚めるような壮麗な景色であり、早朝から長時間車を走らせてきた甲斐があった。
景色を眺め感動していたその時、電話が鳴った。相手は相方のM田くんであった。
家族旅行を兼ねて美瑛町に前泊していたM田君だったが、宿泊先で娘さんが高熱を出してしまい、急遽札幌に戻らなければばらなくなったという。なかなかこちらの都合良くはいかないものである。
一方で、状況を受け入れるほかないと考え、会場に向け運転を再開した。
120分のレースを一人で走るべきか、出場を辞退するべきかと悩みながら、約30分で会場に到着。悩んだ末に出した結論は、「走り出したらなんとかなるか!」という楽観的な判断であった。
準備を終えて、いよいよ120分耐久レーススタート!
ルールはシンプルである。120分の間に一周850mのコースをどれだけ多く周回できるかを競う形式だ。直前になってもソロ部門へのエントリー変更は認められず、結局チーム部門に一人チームとして参加することとなった。
美瑛町長、実行委員会からの挨拶が終わり、いよいよスタートラインに立つ時が来た。
スタートはソロ部門、チーム部門、e-bike部門の順に午前9時から30秒間隔でのスタートが切られる形式となる。
筆者もまずはソロ部門のスタートシーンを写真に収めた後、自らのスタートの準備を整えた。
一人チームで走る私の心に火がつく瞬間
M田君の欠場が決まり、「まぁ、のんびり撮影取材をしながら走ればいいや」と早々に表彰台を諦めてスタートした。しかし2、3週走ると予想以上に楽しくて、ややテンションが上がる。
20分ほど走ったころ、自分のペースが意外と速いことに気づいた。「けっこう速くね? 自分。」
気がつけば後方を走っていた選手が数メートル前にいる。追い越された記憶はないから、多くの選手を周回遅れにしていたのだ。
カーブでバイクコントロールにてこずっている選手、転倒している選手をどんどんかわしていく。札幌の荒れた雪道での自転車通勤の経験が大きな力を発揮していることを実感した。
「ワンチャン入賞狙えるかも! 取材しながら表彰台ってカッコイイかも!」 という見栄っ張りの根性に火がついた。
あと2週走ったら、一度ピットインしてタイヤのエアを抜くことにした。これは、周回を重ねるごとに荒れる路面にタイヤを順応させるための対策であった。
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