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ウイスキーというお酒を知る

マイナビニュース / 2025年1月29日 12時0分

蒸留して作られた透明なお酒は木樽に入れて、長い間熟成します。熟成に使われる樽は、おもにオーク材です。樽の内側を焼き焦がすことで、原酒に甘やかさやスモーキーな風味を与えることができます。また、樽から溶け出すリグニンやタンニンなどの成分が、ウイスキーの色合いや複雑な味わいを形成します。

長期間熟成することで、アルコールの鋭さが和らぎ、複雑な風味が引き出されます。しかし、熟成期間が長すぎると、樽の風味が強く出過ぎたり、全体のバランスが崩れたりすることもあります。最適な熟成期間を見極めることが、ウイスキー造りにとって重要なのです。

ちなみに、木樽は外気温の変化に伴って呼吸しており、ウイスキーは時間とともに蒸発します。これは「天使の分け前」と呼ばれ、年間で約2〜5%もの量が失われるとされています。実際、数十年も熟成させると半分くらいになることも珍しくありません。

熟成年数もウイスキーの種類ごとに異なります。たとえばスコッチウイスキーを名乗るには3年以上の熟成が必要ですが、バーボンは2年以上で名乗ることができます。

熟成を経た原酒をマスターブレンダーが味見をして、製品化すると決めれば、樽から出し、加水してアルコール度数を調整し、瓶詰めされます。加水せず原酒のまま瓶詰めしたウイスキーは「カスク(樽)ストレングス」と呼ばれます。

ウイスキーの名称の由来と歴史

さて、ウイスキーの歴史をさかのぼると、スコットランドとアイルランドのどちらが発祥なのか、実は明確な答えがないとされています。しかし、ゲール語の「Uisge Beatha(ウィシュケ・ビャハ=命の水)」という言葉がウイスキーの由来になっている点は共通しているようです。

蒸留技術がヨーロッパに広まり始めたころ、修道士や農民が薬用酒や保存食として扱ううちに、やがて蒸留酒が「生命を保つ水」のように大切なものとして認識されていったのでしょう。中世のヨーロッパでは医療や宗教の場面でアルコールが使われることも多く、ウイスキーも薬に近い位置付けの時代があったとされています。

また、それまでもウイスキーに税金はかけられていましたが、ある程度は緩和されたものでした。しかし1707年、スコットランドがイングランドに併合されると、麦芽税などの重税が課されることになりました。そしてウイスキーの密造が広まったのです。このとき、密造業者はシェリー樽の空き樽にウイスキーを保管したのですが、結果として熟成が進み、美味しくなることが発見されたのです。

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