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太陽系誕生のきっかけはやはり超新星爆発? 東大などが有力な証拠を発見

マイナビニュース / 2025年1月31日 17時6分

画像提供:マイナビニュース

東京大学(東大)と量子科学技術研究開発機構(QST)の両者は1月25日、太陽の8倍以上の質量を持つ大質量星が「重力崩壊型超新星爆発」を起こした傍らで、太陽系が誕生したことを明らかにしたと共同で発表した。

同成果は、東大大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻の飯塚毅准教授、同・吉原慧大学院生、東大 先端科学技術研究センターの日比谷由紀准教授、QST 関西光量子科学研究所の早川岳人上席研究員らの共同研究チームによるもの。詳細は、米天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載された。

アルミニウム(安定同位体は27Al)の中性子が1つ少ない放射性同位体である26Alは、約71万年でベータ崩壊してマグネシウムの安定同位体26Mgとなるため、約46億年前の太陽系形成時からのものはすでに存在していない。しかし、太陽系最初期に形成された隕石には、地球岩石などの若い試料に比べて26Mgが過剰に存在することから、隕石形成時に26Alが存在していたことが明らかにされている。

この26Alは、太陽系の誕生前後に存在した天体で核合成され、恒星風や超新星爆発により原始太陽系にもたらされたと考えられている。その天体および天文現象候補としては、主に以下の4つが提案されていたが決着していない。

赤色巨星の一種である漸近巨星分枝星
太陽の40倍以上の質量を持つウォルフ・ライエ星
伴星を持つ白色矮星が起こす熱核反応型の超新星爆発
太陽の8倍以上の質量を持つ星が起こす重力崩壊型の超新星爆発

これらの起源を解明できれば、誕生前後の太陽系近傍に存在した天体を突き止めることが可能だ。さらに、26Alを「宇宙核時計」として用いることで、天体における核合成から太陽系誕生までの時間を計測することもできるという。そこで研究チームは今回、初期太陽系において一部の同位体が不均質に分布していた点に着目し、26Alの起源天体に迫ったとする。

太陽系の太陽以外のほぼすべての天体は、太陽を取り巻いていたガスや塵からなる原始太陽系円盤の中で誕生しており、隕石(もしくはその母天体)もそのうちの1つだ。近年、形成年代が判明している隕石の同位体分析から、円盤の内側よりも外側により多くの26Alが存在していたことが判明。それを受けて研究チームは、この26Alの存在量の不均質性が、チタンの安定同位体である46Tiおよび50Tiの存在量の不均質性と相関するという新事実を発見した。

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