インド初の宇宙ドッキング実証「SpaDeX」が成功 - 月探査、有人飛行計画に弾み
マイナビニュース / 2025年2月1日 8時30分
インド宇宙研究機関(ISRO)は2025年1月16日、軌道上で2機の衛星を自律的にドッキングさせる実証ミッション「SpaDeX」に成功した。
インドが軌道上ドッキング技術を実証したのは初めてであり、月から土や砂を地球へ持ち帰るサンプル・リターンや宇宙ステーションの建造など、将来の宇宙計画に向けた大きな一歩となった。
SpaDeX
SpaDeXの目的は、地球低軌道上で、2機の衛星を使い、自律的なランデヴーとドッキング、そしてドッキング解除に必要な技術を実証することにある。
SpaDeXはSpace Docking Experiment(宇宙ドッキング実験)を略したもので、「スペーデックス」と発音する。
2機の衛星はそれぞれ「SDX01」と「SDX02」と呼び、搭載機器などを除きほぼ同じつくりになっている。1機あたりの質量は約220kgの小型衛星で、ISROの小型衛星標準バスであるMicroSatを使っている。
衛星をはじめ、ドッキング機構やランデブー・ドッキングに必要なセンサー、衛星間通信リンク、それらのソフトウェアなど、必要な技術はすべて自主開発、国産化したとしている。
両者は打ち上げ後、同じ軌道上を、お互いが約20km離れた状態で飛行する。そして、まず相対位置を測るレーザー距離計と、相対位置と速度を測るコーナーキューブレトロリフレクターを使い、徐々に距離を詰めていく。
距離が数十mになったところで近接・ドッキング・センサーとレーザー・ダイオードを併用し、相対位置と速度をより精密に測りながら、さらに接近する。そして、最終的にはメカニズム・エントリー・センサーによって、ドッキング機構同士が接触したことを検出できるようになっている。
ドッキング機構は、直径45cmのリングに、間隔を空けて3枚の花びらが咲いているような形をしている。ドッキング時には、相手の花びら同士の隙間に自分の花びらを滑り込ませ、かみ合わせる。その後、お互いにリングを引き寄せることで、完全に結合する仕組みとなっている。
この仕組みは、大きさこそ違えど、国際宇宙ステーション(ISS)で使用されているIDA(International Docking Adapter)や、中国の宇宙船に使われている機構、またスペースシャトルなどで使われていたアンドロジナス・ドッキング機構(APAS)と似ている。これらは、どちらの側からでもドッキングを行える、すなわちSDX01から02へ向かってドッキングすることも、その逆も可能という特徴がある。
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