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インド初の宇宙ドッキング実証「SpaDeX」が成功 - 月探査、有人飛行計画に弾み

マイナビニュース / 2025年2月1日 8時30分

3度の中止を乗り越え成功

SpaDeXは、日本時間2024年12月31日1時30分(インド標準時12月30日22時00分)、サティシュ・ダワン宇宙センターから、PSLVロケットで打ち上げられた。

両衛星は同じ高度約470km、軌道傾斜角55度の円軌道上に、約20kmの間隔を置いて投入され、打ち上げは成功した。

その後、SDX01がターゲット――ドッキングされる側に、SDX02がチェイサー――SDX01に接近してドッキングする側となり、徐々に距離を詰めていった。

当初は1月7日にドッキングする計画だったが、問題が見つかり中止された。

9日にも試みられたものの、衛星間距離を225mまで近づける段階で、衛星が予想以上にドリフト(漂流)し、両衛星の相対位置が整わず中止された。3度目の挑戦となった11日には、両者の距離は3mにまで近づいたものの、そこで近接・ドッキング・システムが何らかの異常を検知し、自律的に中止された。

そして、1月16日9時49分(日本時間)、4度目の挑戦にして、ついにドッキングに成功した。その8分後には、ドッキング機構を引き込み、完全な結合も果たした。

ISROは今後、2機を結合した状態で、ひとつの衛星と見立てて制御する技術の実証や、ドッキングを解除して、両衛星を分離する技術の実証も予定している。

ドッキングの解除後は、両衛星はそれぞれ独立して運用する予定で、再ドッキングを行う計画はないという。

SDX01は高解像度カメラを搭載しており、地球を観測する。SDX02にはマルチスペクトルセンサーと放射線モニターを搭載しており、地球観測や放射線の観測を行うことになっている。

SpaDeXの先にあるもの

軌道上での自律ドッキング技術の実証に成功したことは、インドにとって将来の宇宙ミッションに向けた、大きな一歩となる。

インドは早ければ2027年にも、月から土や砂などのサンプルを地球に持ち帰る探査機「チャンドラヤーン4」の打ち上げを計画している。

この探査機は周回機と着陸機から構成され、着陸機のみが月に降り立ち、サンプルを回収したあと小型ロケットを発射して、月の軌道上で待ち構えている周回機とドッキングし、地球への帰路につくという、複雑な工程を取る。この周回機と着陸機のドッキングに、SpaDeXの技術が必要となる。

さらに、2026年以降は、有人宇宙船「ガガニャーン」による有人宇宙飛行も計画している。さらに、2028年からは宇宙ステーション「バラティヤ・アンタリクシャ・ステーション」の建造も計画しており、ステーションの組み立てや、ガガニャーンによる宇宙飛行士の輸送にとっても、ドッキング技術は不可欠である。

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