変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第12回 もうひとつの独自路線からの転換、オフコンがサーバーになった日
マイナビニュース / 2025年2月4日 12時0分
NECがこの分野において、オープンアーキテクチャーを採用したことは、NEC社内だけでなく、社外からも大きな注目を集めた。
それを象徴するエピソードがある。1994年8月、日本経済新聞が「NEC、国内でIBM互換機」の見出しを立てて報じた記事では、NECがサーバー分野において独自路線を見直し、IBM PC/AT互換のサーバーを発売することが明らかにされた。
独自のオフプロをやめ、オープン路線にシフトするという同社の判断への関心が高かったことに加えて、圧倒的シェアを誇っていたPC-9800シリーズを展開していたパソコン事業で、IBM PC/AT互換にシフトすると勘違いした記者もいて、業界内は騒然。当日の午後3時から、東京・田町のNEC本社において、コンピュータ事業を統括していた小林亮専務取締役(当時)が出席して、緊急会見が開かれるほどの関心事だった。
NECでは、記事の内容については否定せず、発売時期や価格などは未定としながらも、オフプロやワークステーションを担当するC&Cシステムグループが、サーバーのひとつとして、CPUにインテル、OSにWindows NTを搭載した製品の投入を検討していることに言及。その一方で、NECがIBM PC/AT互換のパソコンを発売することは今後もありえないと断言してみせた。このとき、NECでパソコンを担当するパーソナルC&Cグループでは、PC-9800シリーズのアーキテクチャーを採用したPCサーバー「SV-98」を発売していただけに、この領域からIBM PC/AT互換に踏み出すのではないかという憶測が先行したが、この点については真っ向から否定したのだ。
この会見で明確にした製品が、その後に発売されるExpress 5800シリーズであった。Express 5800は、緊急会見という異例の形で世の中に公表されることになったのだ。
公式な製品発表が行われたのは、1994年11月。ここでは、今後2年間で1万8000台を販売するという目標が掲げられた。
オープンアーキテクチャーによるサーバー製品を、国内メーカーとして、いち早く市場に投入したExpress 5800シリーズは、高い評価を受け、当時、国内で約50%のシェアを占めていたコンパックを逆転。初年度から首位に躍り出ただけでなく、2017年までの22年連続で、国内サーバー市場において、トップシェアを維持しつづけた。
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