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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第12回 もうひとつの独自路線からの転換、オフコンがサーバーになった日

マイナビニュース / 2025年2月4日 12時0分

長年に渡り、トップシェアを維持しつづけた背景には、市場環境の変化に対応したモノづくりや、BTO(Built to Order)によって、顧客のニーズにきめ細かく応えてきたこと、短期間に納品するための受注、生産、出荷管理システムを構築したこと、迅速で丁寧なサポート体制によって常に顧客の課題解決に貢献してきたことなどがあげられる。

たとえば、Express 5800シリーズでは、スリム型サーバーという新たなスタイルの製品を投入したほか、静音性を追求した水冷サーバー、メインフレームの技術を応用して可用性を高めたft(フォールトトレラント)サーバーなどを投入。さらに、クラウド時代の到来にあわせて、ブレードサーバーを製品化。さらには、省スペース化、省電力性能を重視したラックマウントサーバーのiモデルでは、1U分のラックスペースに背中合わせで2台のサーバーを収納できるハーフサーバーを用意。室温が40℃でも動作する機種も投入し、データセンターの電力消費の大幅削減を可能にした。

なかには、オフィスラックサーバーと呼ばれるユニークな製品も発売していた。防塵および静音設計としているのに加えて、ラック前面には鍵付のフロントシャッターを採用。情報漏えい対策におけるセキュリティ面にも考慮したという。

また、Express 5800シリーズは、山梨県甲府市のNECプラットフォームズ 甲府事業所で生産。10万通り以上のバリエーションに対応し、受注から4営業日で出荷する体制を2005年からスタート。NECならではの国内生産の強みを生かした。

現在では、年間停止時間約3秒となる99.99999%のシステム可用性を実現しているほか、NECが得意とするローカル5Gへの対応や、生成AIをはじめとして、画像処理や映像処理、高速演算などにも対応したGPU搭載サーバーなどもラインアップしている。

このように、IAサーバーのコモディティ化が進展するなかでも、他社にはない付加価値を加えることで差別化を図ってきたのが、Express 5800シリーズであった。

Express 5800シリーズは、2008年3月には累計出荷100万台を達成。2024年12月には発売30周年を迎え、NECのコンピュータ事業を支えるロングセラー製品となっている。
(大河原克行)



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