1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第187回 事業好調にもかかわらず社長交代を発表したKDDI、AI時代のトップに必要なものとは

マイナビニュース / 2025年2月7日 18時56分

画像提供:マイナビニュース

KDDIは2025年2月5日、高橋誠氏から、現在の取締役執行役員常務CDOである松田浩路氏に代表取締役社長CEOを交代する人事を発表した。2022年の大規模通信障害を乗り越えてネットワークの信頼を回復しながら、異業種のローソンへ経営参画するなど新しい取り組みを積極的に進めてきた高橋氏が、現在のタイミングで交代する背景には何があるのだろうか。
苦難を乗り越え好調な高橋氏の体制が大きく変わる

2024年には英OpenSignalの調査でモバイル通信のネットワークが高い評価を獲得、さらに三菱商事と共同でローソンへの経営参画を推し進めるなど、ここ最近携帯大手の中では攻めの姿勢が続いているKDDI。そのKDDIが2025年2月5日、経営に関する大きな発表をしている。

それは現在の代表取締役社長CEOである高橋誠氏から、取締役執行役員常務CDOである松田浩路氏へと社長が交代するというもの。この人事は4月1日付けで実施されるとのことだが、突然のトップ交代ということもあって大きな驚きをもたらすこととなった。

中でも驚きがあったのは、現在KDDIの事業が好調な中でも社長交代だったことだろう。実際、同日に発表がなされたKDDIの2025年3月期第3四半期決算を見ても、売上高は前年同期比2.3%増の4兆3642億円、営業利益は前年同期比2.0%増の8646億円と、増収増益を達成している。

主力のネットワーク事業に関しても、菅義偉元首相の政権下で進められた携帯料金引き下げ要請の影響を乗り越え通信事業も回復基調にあるし、2022年に発生させた大規模通信障害に際しても、会見での高橋氏の明確な答弁が評判を呼び、その後のネットワーク品質向上につなげるなど、むしろ同社の評価を高めることにもつながっていた。

それに加えて米スペースXとの提携による衛星・スマートフォンの直接通信を今春に本格提供開始すると発表するなど他社との明確な差異化も進められているし、金融や法人事業など成長領域の事業も好調。ローソンへとの連携に関しても「Pontaパス」や「povo Data Oasis」などの施策で好調な送客につながるなど、立ち上がりは上々な様子だ。

同社の過去を振り返ると、現在の取締役会長である前任の田中孝司氏から、高橋氏に社長交代したのも就任から約7年というタイミングだった。それゆえ就任からおよそ7年が経過した高橋氏から社長交代をするタイミングが近づいていたことは確かなのだが、現在の好調ぶりを見るに、いま社長交代するタイミングではないようにも感じてしまう。それにもかかわらず、KDDIが社長交代に踏み切ったのはなぜなのだろうか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください