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突然のママの死に号泣する“息子”たち…塙山キャバレーに取材Dが感じた「替えのきかない場所」

マイナビニュース / 2025年2月8日 18時0分

そんな中で「いづみ」ママが辞めた理由は、視力の衰えにより車で50分かけて店に通うことが怖くなったため。山本氏が前編で特に印象に残る場面として挙げるのは、彼女が最後の営業日で笑っている姿だった。

「お客さんは泣いたり、しんみりしてるんですけど、本人はずっといつもと変わらない表情で笑っているんです。最後に話を聞いたら、“楽しかったからここで仕事してたのに、無理してやったら楽しくなくなっちゃう。だから笑って商売できなかったらやらない”と言っていて。その彼女の哲学を聞いて、最後まで笑って終わったというのが、すごいなと思いました」

○ただの客とママとは違うレベルに

後編で描かれるのは、「酔った」のママとの突然の別れ。そして毎週、店を訪れて“息子”のように接していた、悲しみに暮れる常連客たちの姿だ。

この関係性に、「塙山キャバレーという場所は、ただのお客さんとママとは違うレベルになっているのが、より見えてきました。自分の母親が亡くなった時にもこんなに泣くのだろうかというくらい、感情をあらわにしていたんです。ここまでお客さんと結びつくことができるのかと驚きましたし、だからこそ替えのきかない場所なんだと思いました」と印象を語る。

数ある店の中で塙山キャバレーの前組合会長だった関係で、山本氏がお世話になったのが「ふじ」のママ。このママは息子が2歳の時に離婚したが、元夫に引き取られてしまったため、17歳になるまで1回も会えなかったのだという。その息子と年齢が近い山本氏は「僕と同年代の人たちがお店に集まってくるんです。ママは母親としてつらい時期がずっとあったので、僕たちに優しく接してくれて楽しく過ごせるのかなと思います」と推察した。

●山本草介1976年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業。ドキュメンタリー映画監督の佐藤真氏に師事し、06年に映画『もんしぇん』の監督で商業デビュー、第6回天草映画祭「風の賞」を受賞した。映像作家として『ザ・ノンフィクション』のほか、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)、『情熱大陸』(MBS)といった番組や、ドキュメンタリー映画『エレクトリックマン ある島の電気屋の人生』などを制作。21年、初の著書『一八〇秒の熱量』(双葉社)が、第52回大宅壮一ノンフィクション賞・第20回新潮ドキュメント賞の候補作に選ばれた。
(中島優)



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