Flight Facilities『Down To Earth』Interview
NeoL / 2016年8月30日 21時26分
![Flight Facilities『Down To Earth』Interview](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/neol/neol_48666_0-small.jpg)
Flight Facilities『Down To Earth』Interview
オーストラリア・シドニー出身のエレクトロニック・デュオ、フライト・ファシリティーズ。彼らの作品『Down To Earth』はデビュー・アルバムにしてカイリー・ミノーグがゲスト参加。さらにビショップ・ネルー、レジー・ワッツ、ジゼル、ミッキー・グリーン、エマ・ルイーズ、オウル・アイズが参加し、ダンスからヒップホップ、ポップスに至るまで様々なシーンで注目を集めた。スマッシュヒットを多数生み出した1stから約1年半を経た彼らに、フジロックにて現状を聞いた。
──日本は2度目になりますね。
ヒューゴ「いや、フジロックを含めると3回目だね。2010、11年と2年連続で来たんだ。最初は大阪で、2回目は東京のル・バロンかな。どちらもDJだったので、こうしてライヴができることにワクワクしているんだ」
ジェームズ「まるでジュラシック・パークの世界に迷い込んだような会場だよね(笑)。でも、すごく美しいよ。地面が平らなフェスばかりなので、こう起伏に富んでいると新鮮だね」
──10年にリリースされたデビュー・シングル「クレイヴ・ユー」から6年が経過しました。アルバムもそろそろ2年が経とうしていますが、今もって「クレイヴ・ユー」はフレッシュなグルーヴをキープしています。その理由はなんだと思いますか?
ジェームズ「自分たちがベッドルームで曲を書いていた頃は何も考えずに、書きたいままに曲を書いて、自分たちの中にあるものがそのまま出ているんだ。『クレイヴ・ユー』がそう感じてもらえるのも、自由な感覚で素直に作ったからじゃないかな」
ヒューゴ「特定のジャンルを意識することなく、誰の期待や誰かに聴かせるということもなく、自分たちのために作ったからだろうね。良い意味で無知な部分が出ていると思うよ」
──なるほど。その感情のままのソングライティングの根底にダンスというキーワードはあったのでしょうか?
ヒューゴ「ナイトクラブというイメージは少しだけ意識はしていたんだけれど、何が何でも踊らせるというほどではなかったよ。ハウス・ミュージックからの影響は大きいけれど、ハウスの曲にしては短すぎるよね。シンセを使ったりしているけれど、何かを意識するとナチュラルなフィーリングを損ねてしまう。意識しないことを意識したという感じかな」
ジェームズ「リリースするかも決まってなかったからね。こんなにもビッグ・ソングになるとは思ってもみなかったし。ただただ、ラッキーだったということ。ベルギーのDJのエアプレーンがまず『クレイヴ・ユー』を見つけてくれて、そこからイェールが気に入ってくれて、さらにゴシップ・ブロガーのペレス・ヒルトンが拡散してくれた。リリースされる前にはもう800万回くらい再生されていたんだ」
![DSCF4721 1](http://www.neol.jp/wp-content/uploads/2016/08/DSCF4721-1-240x160.jpg)
──では、「クレイヴ・ユー」の次はかなりプレッシャーがあったんじゃないですか。
ジェームズ「大きいプレッシャーだったね。色んなところから次はどうするの? と聞かれっぱなしだったし。期待も寄せられていたからね。次の曲を作るまでにけっこう時間がかかってしまった。『クレイヴ・ユー』のヒットにはならなかったけど、ぼくらは楽しんでやることができた。ぼくらとしては満足しているよ」
ヒューゴ「次の曲でもぼくらはまだポップ・ソングを作れるんだということを証明したかったんだ。1曲目より2曲目の方がぼくらのミステリーさが薄れてしまっているので、『クレイヴ・ユー』を上回る成功はないだろうと思っていた。それでもたくさんの人たちに聴いてもらって、受け入れられたので、息をふっと吐くようなリラックスした気持ちになれたよ」
──それではアルバムはいくつかの曲がたまってきて、その曲が集まったというような構成なのでしょうか?
ジェームズ「そうだね、君の言う通りだよ。アルバムを作ろうなんて、まったく考えていなかった。思ったよりも早く曲ができたので、アルバムとしてまとめたんだ。アルバムを意識していたら、プレッシャーもあっただろうし、時間もかかっていただろうね。頂上を目指して登っていくのではなく、気付いたら頂上に着いていたという感じかな」
──アルバムにはカイリー・ミノーグも参加しています。最初に彼女から連絡があった時、どう思いましたか?また、そのレコーディングはどうでしたか?
ジェームズ「ぼくらのレーベルがカイリーに連絡をしたんじゃなかったかな、確か。でも、すごいことだよね。彼女のプレイリストにもぼくらの曲が入っていて、ぼくらも彼女のことが大好きだったので、願ってもみないコラボになったと思うよ。実際に会ってみても、地に足の着いた人で類まれな才能の持ち主だということがすぐにわかった」
ヒューゴ「実際に会う前に自宅でカイリーとスカイプをしていたんだけど、そのとき兄と兄のガールフレンドが部屋に入ってきて、“何してるの?”と聞かれたんだ。ぼくは“カイリーとスカイプしてるんだよ”とディスプレイに映っている彼女を見せたら、すごくびっくりしていた(笑)。その後、彼女がロンドンからシドニーに来てくれて、コラボしたんだ。作業もスムーズで、一緒に踊ったりしながらレコーディングしてたよ。すごく気さくで、それでいて才能もある。最高の女性だよ!」
撮影 依田純子/photo Junko Yoda
文 油納将志/text Masashi Yuno
編集 桑原亮子/edit Ryoko Kuwahara
![ffjacket](http://www.neol.jp/wp-content/uploads/2016/08/ffjacket-160x160.jpg)
Flight Facilities
『Down To Earth』
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(Hostess)
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Flight Facilities
2009年にオーストラリア・シドニーにて音楽プロデューサーのヒューゴとジェームズで結成したエレクトロニック・デュオ。10年に発表したシングル「Crave You feat. Giselle」が瞬く間に大ヒット、オーストラリアのNo.1ラジオ番組Triple Jにおいて3週連続リクエスト曲1位に選ばれ、ミュージックビデオはYouTubeで1400万回再生され注目を集めた。11年に<Future Classic>からヒット・シングルを立て続けに発表。エロル・アルカンからも絶大な支持を受け世界中から注目を集める中、遂にデビュー・アルバム『ダウン・トゥ・アース』を発表。フジロック・フェスティバル2016にて3度目の来日を果たし、ホワイトステージを多いに沸かせた。
http://hostess.co.jp/flightfacilities/
関連記事のまとめはこちら
http://www.neol.jp/culture/
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