Courtney Eaton 『Gods Of Egypt』Interview
NeoL / 2016年9月8日 13時35分
Courtney Eaton 『Gods Of Egypt』Interview
スクリーンの幕が上がると、そこはもう5千年前の古代エジプト。ピラミッド、スフィンクス、太陽神ラーなど誰もが知る要素をふんだんに盛り込んだ『キング・オブ・エジプト』(9月9日より全国公開)は、神々と人間とが王座をかけて壮絶なバトルを繰り広げるSFアドベンチャー映画だ。
本作で芯の通ったヒロインを演じるのがオーストラリア出身の新鋭コートニー・イートン。アジア系やマオリ族の血を引くエキゾチックな風貌と178センチの長身を誇る彼女は、インタビュー・ルームで出逢った瞬間に向こう側から「コンニチワ!」と声をかけてくれる実に気さくな女性だった。超大作の中でも格別の存在感を見せつける弱冠20歳の逸材に、じっくりと話を訊いた。
————いまの「コンニチワ!」という日本語がすごくナチュラルで驚きました。
コートニー「ドウモアリガトウ!実は以前、交換留学生として日本にちょっとだけ滞在したことがあるんです」
————どうりで上手なわけですね。 何か日本文化の中でお気に入りのものってあります?
コートニー「ハヤオ・ミヤザキ! 彼の作品は全部大好きで、小さい頃からもう何度も見ています」
————筋金入りのファンなんですね。ところで日本では今なお『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)が上映されていて(コートニーは、悪ボス“イモータン・ジョー”から逃亡を図る5人の妻たちの1人を演じた)、おそらく立川エリアに行くとあなたはきっと太陽神ラーのごとく迎えられることと思います。
コートニー「ラーみたいに!? それ、本当にやっちゃおうかしら(笑)」
————あのマッドな映画は、あなたの中でどのような思い出として残っています?
コートニー「とてつもないクレイジーな体験、と言う他ないですね。6か月ものあいだ滞在した砂漠の真ん中には、もうまさにスクリーンで観るそのまんまの状態が広がっていたんです。私は当時16歳で、あんなに長期間、家族と離れて暮らすことさえ初めての経験でした。でもジョージ・ミラー監督をはじめ、素晴らしくぶっ飛んだスタッフ、キャストに囲まれ、大変だったけど幸せな時間でした。もうあんな体験、二度とできないだろうな……」
————『マッドマックス』の圧倒的なリアリティに比べて、今回の『キング・オブ・エジプト』は最新の特殊効果に満ちたパワフルな映画となりました。撮影方法や現場の雰囲気の違いも大きかったのでは?
コートニー「それはもう180度異なる体験でした。『マッドマックス』はリアルに爆発したり、車が猛スピードで爆走していく壮絶さがありましたが、今回の映画はシドニーのスタジオで、大部分にブルースクリーンを駆使しての撮影となりました。登場するモンスターたちも本物ではなく(笑)、私たちはスティックの先に括り付けられたテニスボールに向かって、話しかけたり、勇気を振り絞って立ち向かったりしていたんです」
————ということは、今回の方がコートニーさんの俳優としての真価というか、イマジネーションが求められる撮影となったのでは?
コートニー「ある意味そうかもしれません。 だって、それがどんな場面になるのか、相手がどんな恐ろしいモンスターなのか、私たちには全く分からなかったわけですから。ようやく完成版を観たときには、ワオ!こんな映像に仕上がったんだ!と最新技術の凄さに驚かされました」
快適に着こなす、ということ
————今回コートニーさん演じるザヤという役柄はとても芯の通ったヒロインで、非常に好感が持てました。
コートニー「そうですね、自分で演じながらすごく決意の固い、強い女性だと思いました。自分がこうだと決めたら絶対にブレない。かと思えば情熱的な一面もあって、恋人のベックのことをすごく愛している。この映画の核となるのはザヤとベックの純粋な愛なんです。彼らの愛こそが、この王国の命運を力強く動かしていくのだと思います」
————エジプトの民族衣装も素敵でした。モデル出身のコートニーさんはこれまで多くのファッションを着こなしてこられたと思いますが、どんな印象を持ちました?
コートニー「とても興味深い体験でした。コスチュームはどれも美しく繊細な作りで、それでいて着心地も抜群に良かったですね。私の演じるザヤは古代エジプトの奴隷という設定ですが、全くそう思えないくらい衣装はゴージャスでディテールもしっかりしているし。身にまとうたびにドキドキできて、本当に楽しかったですね」
————プライベートでお気に入りのブランドやトレンドなどがあったら教えていただけますか?
コートニー「私、幼い頃からとにかくオテンバな性格で、そこらにあるものを何でも構わず着ちゃう子だったんです。ファッションとかブランドとか全然縁遠くって(笑)。今はあの頃よりちょっとは成長したけど……そうですね、強いて言うなら、グッチがお気に入りかな。ジャケットとかもすごくクールなデザインで大好きです」
————日常ではどんなスタイルを?
コートニー「あまり深く考えず、いろいろ混ぜ合わせて着ることが多いですね。古着屋でたまたま見つけたものだったり、親友のクローゼットから『これって素敵!』と思ったものを勝手に借りてきたり(笑)。でも大事にしているのは“快適であること”ですね。その意味でも、ブーツにブルージーンズを合わせて“ロックンロール!”って感じのスタイルがしっくりくるし、いちばん私らしいと言えるのかも」
抗いようのない女優業の魅力
————モデルとしてキャリアを積む中で女優デビューを果たされたわけですが、ターニングポイントは何だったのですか?
コートニー「私がモデル事務所と契約したのは16歳の頃。当時はまだ学生だったこともあって、仕事とまだ真剣に向き合えていませんでした。そんな矢先に『マッドマックス』の話が舞い込んで、思いがけず演技に挑戦することになったんです。今も女優の仕事と並行してモデルとしてのオファーも頂くのですが、女優業ほどには情熱を注げていないかもしれません。それくらいこのお仕事に魅せられている自分がいます」
————具体的にはどんなところに?
コートニー「そうですね……たとえばモデルのお仕事でも『怒っている表情を見せて!』とディレクションされてそのような表情を見せることがよくあります。こういう部分が演技に通底していると言えなくもないのですが、でも何か根本的に違う気がします。演技とはもっと自分の内側にあるもの包み隠さずさらけ出すもの。ですから演技をしている間は、身体が痩せていようが太っていようが、醜く見えようが、そういうことは重要ではなく、いかに臆することなく全てをさらけ出せるかが求められます。こういった点に一度体験すると逃れられない、抗いようのない魅力を感じてしまったんです」
————日々の生活の中で、何か大切にしていること、考え方などはありますか?
コートニー「いつも心に留めているのは『自分らしくあれ』という言葉ですね。この世に自分の代わりなどいないから、後悔するようなことはしたくない。でもそれ以外の部分では、むしろ流れに身をまかせることの方が多いかもしれません。ライフスタイルで大事にしているのは……うーん、リラックスすることかな。目の前に流れてくる物事に過剰に反応することなく、未来や過去にもこだわりすぎない。そうやって今を精一杯に生きるのがベストだと思っています」
————これから女優としてのさらなる冒険が待っていると思います。コートニーさんが目指したいもの、理想とするものを教えてください。
コートニー「そうですね、自分を型にはめたくないという気持ちは常にあります。インディーズ映画にも出てみたいし、日本やフランスをはじめ、外国映画にも出演してみたい。もちろんそのためには言葉をまず覚えなきゃというのは大前提にあるのですが。自分の限界や可能性を狭めることなく、やっぱりいつもオープンな私であり続けたい。それがいちばんの願いですね」
photo Hiroki Wada(TRON)
text Atsunobu Ushizu
Edit Ryoko Kuwahara
『キング・オブ・エジプト』
9月9日(金)TOHOシネマズスカラ座ほか全国超拡大公開
©2016 Summit Entertainment,LLC.All Rights Reserved.
監督: アレックス・プロヤス『アイ、ロボット』
出演:ブレントン・スウェイツ『マレフィセント』、
ニコライ・コスター=ワルドー「ゲーム・オブ・ストーンズ」シリーズ、
コートニー・イートン『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、
エロディ・ユン『G.I.ジョー バック2リベンジ』、
チャドウィック・ボーズマン『ブラックパンサー』、
ジェラルド・バトラー『300 <スリーハンドレッド>』、
ジェフリー・ラッシュ『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ
配給:ギャガ
©Photo Courtesy of Lionsgate.
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