Fantastic Fest Issue/日本未公開映画特集 :『JOJO RABBIT』Director Taika Waititi and Stephen Merchant

NeoL / 2019年11月7日 17時0分

Fantastic Fest Issue/日本未公開映画特集 :『JOJO RABBIT』Director Taika Waititi and Stephen Merchant



テキサス・オースティンで開催される映画祭Fantastic Festは、大作やシリアスなムードのものよりもちょっと笑えてしまようなスプラッターやジャンルムービーに焦点を当てているのが特徴。場所柄もあり、VHSやレコードなどノスタルジックな素材や作り方にこだわった作品も多くラインナップされている。そのFantastic Fest2019年度のリストから、NeoLが気になる作品を紹介する。5本目は各国の映画祭ですでに大絶賛されている、タイカ・ワイティティ監督最新作『JOJO RABBIT』。
スカーレット・ヨハンソンやサム・ロックウェルら豪華キャストやヒトラーをまるでアイドルのように扱う過激なジョークも話題だが、本作のいちばんのポイントは真摯な反戦映画であるという点だ。シリアスな題材をユーモアを介して伝えやすくするという手法をとってはいるものの、10歳の子どもの目を通して描かれる戦争は徐々に残酷さを増していき、少年はもはや少年ではいられなくなる。なぜ戦争は起きるのか、そしてなぜ戦争をおこしてはいけないのかと観た者が各々考える気づきや理解をくれるこの作品が、今の時代に公開された意味もまた考えさせられる。監督であり、作品内でヒトラー役を務めたタイカ・ワイティティと、ゲシュタポの幹部を演じたスティーヴン・マーチャンの言葉を記す。(→ in English)



ーーまずこの映画を作ろうと思ったきっかけを教えてください。


Taika: 2011年に母が読んでいて私に教えてくれた本からヒントを得て作りました。その頃ボスニア戦争からちょうど20年ということもあってボスニア戦争に関するものを多数読んでいたのですが、とても衝撃を受けたんです。私はまだ幼かったけれども、その戦争でボスニアとセルビアではありとあらゆることが起こったと覚えています。「自分と同じ年齢くらいの歳の子が過激化した戦争の真っ只中にいたんだ」という衝撃が種となり、それは何かしらの形で長い間私の中に残っていました。20年というのは遠い昔のようで、つい最近のことなんですよね。誰もが知っているように、子供達というのは、彼らの人生を導いてくれるような賢い師を尊敬するものです。戦争が起こったとき、世界はあっという間に狂気に満ち、愚かで馬鹿けたコメディのようになる。子供達はその様を見ているのです。彼らは私たち大人を愚かなコメディのように見ているんですよ。それが制作の起源となっていますが、それだけではなく、そこにあるもっと深いメッセージを自分でも探りたいと思いこの作品を制作したのです。



ーーこれは上映までに大変長い時間をかけて制作された作品ですよね。あなたは様々な国の血が混じっていますが、そうした家族や生い立ちからも多少の影響を受けて作られているのでしょうか。


Taika: そうですね、だから私はニュージーランド出身なんです(笑)。ニュージーランド王国の先住民族である父とロシアのユダヤ人でありながらニュージーランドの果てにまで行き尽くした母、それぞれの文化を体験しながら育ちました。ひどく抑圧されながらもユーモアのセンスがあるふたつの文化なので、私の映画作りのスタイルや人生観に存分に取り込んでいきたいと考えています。だから、私は劣悪な環境の中で希望の光を見つけるような映画が好きなんですよ。







ーー私は”To Be or Not to Be(生きるべきか死ぬべきか)” などの第二次世界大戦を描いた作品をたくさん観てきましたが、その中でも本作でのヒトラーの滑稽さは抜群です。このキャラクターや場面の制作や演じ方は一体どうやってできたんでしょう。何か影響を受けたものはありますか。


Taika: 驚かれるかもしれませんが、私はそれらの映画を観ていないんです。映画はたくさん観ましたが、それらは必ずしもヒトラーが出てくるものではありません。1つだけ影響を受けたとしたら、権力者や独裁者をからかうようなコメディで、私のスタイルではないけれどももっと議論を呼ぶものにしたくて取り入れてみました。でもやっぱり苦手ですね(苦笑)


ーーとんでもない。とても素晴らしい出来でしたよ! スティーヴンさんは、どのような経緯でこのプロジェクトに参加しようと思ったのでしょう。恐怖の根源でありながら笑えるという狂信的で面白いキャラクターを演じましたが、どのようにこのキャラクターにアプローチしましたか?


Stephen: 私はずっと彼の作品のファンだったのですが、会ったことはありませんでした。彼がナチを演じる役者を探していて、しかも私にお願いしたいと聞いたとき”ついに私の出番が来た!”と思いました(笑)。背の高い白人の私は怒り狂ったゲシュタポの幹部にぴったりの役者だと以前から思っていたのです。監督と違って、私にはカラフルなバックグラウンドはありません。親戚が家の近くを離れたこともないんじゃないかな。そんな私がゲシュタポ役を演じるという提案にワクワクしました。私は彼と違って、演技の参考にするためにあなたが言及したような他の映画もたくさん観ましたよ。


Taika: 私は他の人からの影響を受けたくないので、他の人の作品を見たいと思わないんだよ(笑)


Stephen: そういう長い歴史に入り込むために作品鑑賞は大いに役に立ちましたし、自分もこの作品のパーツとして歴史の一部になりたいと願いました。そうして今ここにいる、そのことを喜ばしく思っています。



ーー本作品で素晴らしい演技を披露したダンサー役のトーマサイン・マッケンジーには、どうやって出会いましたか?


Taika: 彼女はあの役のオーディションを受けた最初のひとりで、すぐに撮影リストに入りました。他の役者のオーディションも考えていましたが、すでにこの役は彼女にしか出来ないと感じてもいたんです。彼女は一種のニュージーランドの演劇一家の出身で、両親は私の友人です。私は彼女の両親と一緒に劇場の舞台で育ってきたんです。彼女のことも幼い頃から知っていますが、今では素晴らしい女優になりましたね。







ーーヒトラーの役について、何か準備はしましたか?


Taika: 研究のために多くのビデオを観ていたら答えられたかもしれませんが、残念ながらそうではないので困りましたね(笑)。というのも、世の中のことを何も知らない10歳の子供から見たヒトラーを描きたかったからです。だから歴史で描かれているようなヒトラーではいけませんでした。本作ではのヒトラーは何も知らないし、さらにその子供より愚かでなければならかった。10歳の子供と同レベルでいてほしかったんですよ。私はメソッドに従うのが苦手だし、そういうことができるタイプでもないので(笑)。変化球に備えてください!



ーー今回の作品はすごくシリアスな題材をコメディ調に描いていますが、どうしてそのようなスタイルでアプローチしようと思ったのでしょう。


Taika: たくさんの第二次世界大戦を描いた映画を観て育ったので、自分のなかの善悪の境界線は明確だったと思います。ここ数年はいつもこの手の映画を観ながら夢中になっていました。それらは非常にドラマティックで、物語を伝えるスタイルは大体似通っています。私のスタイルはストレートなドラマを作ることに向いていないし、常に人々が落ち込んでいるような映画を撮りたくもなかった。また、単純なコメディーとして描くには不適切なテーマだとも思いました。この戦争で起きたことは決して忘れてはいけない、でも奇妙なことに人々は忘れてしまうんです。だから繰り返し語られることが重要であって、しかも興味深く新しい方法で伝える必要があった。私は"この映画は第二次世界大戦のコメディだ”と言われることに意義を唱えます。これは少しのジョークを伴った第二次世界大戦の物語です。その少しのジョークは観客や若者をストーリーやスタイルに引き込むためのアクセスポイントのようなもの。私はこの第二次世界大戦の物語を伝えるための新しく独創的な方法を探し続けたいと思っています。


ーーどのようにして子供達から素晴らしい演技を引き出せたのでしょうか。


Taika: 子役のキャスティングに関しては、ローマンはキャスティングプロセスが終わった直後に来たのですが、それまで私たちは役にふさわしい子が見つかるか少し心配していました。私は子供達のキャスティングをするとき、その役に一番近く合うとと思った子を選びます。素晴らしい子がいればその子に合わせてキャラクターの方を変えることもあります。私は子供達に他の何者かのふりをして欲しいとは絶対にお願いしないんです。それはやりすぎというものですよね。大人の役者は物事を複雑にしがちです。しかし、子供の場合は言葉だけ覚えればただそのままの彼ら自身でいさせるだけで最高の演技になります。ローマンは私が求めていた繊細さを体現できている、トンプソンもそうですね。ですから、役にふさわしい子を探すキャスティングが一番大変で、そこを乗り越えれば後はスムースに行くと思います。


ーー私は、”Butterfly”という映画と似ていると思ったのですが何かしらの参考にされましたか? 自然と第一次世界大戦も思い起い起こさせます。


Taika: すごい!正解です。初期の反戦映画のひとつで、とても美しい作品ですよね。それは参考にしました。







text Ryoko Kuwahara

『ジョジョ・ラビット』


舞台は、第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、空想上の友だちのアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)の助けを借りながら、青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘していた。しかし、ジョジョは訓練でウサギを殺すことができず、教官から”ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかわれてしまう。そんなある日、母親(スカーレット・ヨハンソン)とふたりで暮らしていたジョジョは、家の片隅に隠された小さな部屋で、ユダヤ人の少女(トーマサイン・マッケンジー)がこっそりと匿われていることに気付く。ジョジョの頼りとなるのは、ちょっぴり皮肉屋で口うるさいアドルフだけ…。臆病なジョジョの生活は一体どうなってしまうのか!?




監督・脚本:タイカ・ワイティティ(『マイティ・ソー バトルロイヤル』)
キャスト:ローマン・グリフィン・デイビス、タイカ・ワイティティ、スカーレット・ヨハンソン、トーマサイン・マッケンジー、サム・ロックウェル、レベル・ウィルソン ほか
全米公開:10月18日 原題:JOJO RABBIT 
配給:20世紀フォックス映画 
コピーライト:(C)2019 Twentieth Century Fox


公式HP:http://www.foxmovies-jp.com/jojorabbit/
公式Twitter:https://twitter.com/foxsearchlightj 
公式Facebook:https://www.facebook.com/FoxSearchlightJP/ 
公式Instagram:https://www.instagram.com/foxsearchlight_jp/










Writer-director Taika Waititi (THOR: RAGNAROK, HUNT FOR THE WILDERPEOPLE), brings his signature style of humor and pathos to his latest film, JOJO RABBIT, a World War II satire that follows a lonely German boy (Roman Griffin Davis as JoJo) whose world view is turned upside down when he discovers his single mother (Scarlett Johansson) is hiding a young Jewish girl (Thomasin McKenzie) in their attic. Aided only by his idiotic imaginary friend, Adolf Hitler (Taika Waititi), Jojo must confront his blind nationalism.


ーーWhat inspired you to make Jojo Rabbit?


Taika: I’m glad you asked that. In 2011, my mum read this book and then described that book to me and then I went off and read half of the book and it inspired the film. At the time, it was 20 years after the Bosnian war and I was reading a lot about that war and it really struck me. I remember being young when everything was happening in Bosnia and Serbia, thinking ‘Wow, kids my age in a full grown war’ and there was something in me that I carried along for a long time and twenty years after that I realized that it wasn’t very long ago and it was still very contemporary. And we all know that kids are looking up to grown ups who are supposed to be guiding them through life and being their mentors and being the smart ones and when wars happen we instantly become lunatics and the world becomes stupid and an absurd comedy and that’s what kids see when wars happen I guess. They look at us in those times and that’s what they see. So I don't think that’s good enough. I still feel like there is a deeper message in that. So yeah....



ーーI know that you spent a long time trying to bring this film to the screen. And I know that part of it is because of your background and that you have a very colorful family. So could you talk a little bit about how much of a personal project it is?


Taika: So I come from New Zealand. You haven’t been (laughter). My father’s side which is the indigenous people from the ground kingdom of New Zealand and my mother’s side the Russian Jews ended up in all places of New Zealand and so growing up I had a mixed cultural experience. Two cultures that were heavily oppressed but with great senses of humor so I think I tried to bring a lot of that into the style I’ve always used in my films and the outlook on life to my films. I love films that are set in quite dark environments but finding the light in those dark places.








ーーOne of the things I was curious to hear about was the inspiration. I see a lot of references from the World War Two films from “To Be or Not to Be” so on. Especially the hitler shtick which is just fabulous. Can you talk a little bit about how it influenced you when you were making it and staging the scenes?


Taika: I have a big confession to make, I actually haven’t seen those films. A lot of people say ‘Oh the producers!’ but I haven’t seen those films. I have seen a lot that not necessarily had hitler in them. There is a strange one that has been an influence on this. Comedies where we poke fun at dictators and people with power trying to act in a smart way. It’s not my style but I wanted it to be more of a discussion. I’m not good at this…(laughter)


ーーI think you’re doing fine. I’ll ask a question to Stephen. How did you get enrolled in this project? You play a very interesting character in both the source of fear but also someone who is quite laughable and his fanaticism. How did you get involved and how did you approach the character?


Stephen: I had been a fan of Taika’s but I had never met him. So I heard that Taika needed someone to play a Nazi and they want you to do it. And I thought ‘Finally! (laughter) My call has come!’ Because I had always thought that I would be a shoe in for a pissed off Gestapo officer for being tall and the whitest man alive. Unlike him, I have no colorful background. I don’t think my relatives have even left our neighborhood so it was just so exciting to me. The idea of Taika and me playing a Gestapo officer and unlike Taika I had seen a lot of those films that you had mentioned so yeah…


Taika: I don’t like watching other people’s movies because I don’t want to be influenced by them (laughter).


Stephen: I thought it very much tapped into that long history like you said and I thought I would like to be a piece of this and here I am.


ーーWhen did you get Thomasin Mckenzie involved who is the brilliant actress who plays the character of a dancer?


Taika: She one of the first people to audition for the role and she was put instantly into the shot list and I was considering auditioning other people but I already knew that we wanted her so. Her family are sort of theatre royalty in New Zealand and her father and mother are a friend of mine. I grew up in the theatre scene with her parents in New Zealand. I’ve known her since she was very young and she has become the most incredible actress.







ーーHow did you prepare for the role of Hitler?


Taika: The question beneath your question was that if I had watched a lot of videos and had been doing a lot of research. But no, didn’t do that (laughter). Because he is conjured from the mind of a ten year old who knows nothing about the world so I wanted this version of hitler to be exactly the same. He had to know nothing, he had to be an idiot, more of an idiot than he was and I wanted him to have a sort of ten year old quality to him. I wasn’t comfortable going method and also wrong guy to be going method with (laughter). You would have to cut up a ball!


ーーYou had juggled a serious topic with comedy. I was wondering how you approached that particular style.


Taika: I grew up watching a lot of World War Two films and that particular war, I think the lines between good and bad were very clear. I’ve always had this infatuation so watching all of these movies for all of these years, they were very very dramatic movies and the style of telling this story didn’t vary that much. Just in my own style, I don’t think I would be very good at just making a straight drama. I just don’t like shots of people being depressed all of the time. But I wouldn’t want to do a straight comedy because it would be inappropriate. So I feel like telling these stories again and again than we have to because there is a reason as to why they say we should never forget about what happened and kind of weirdly that we are forgetting. So I think that it is important to keep telling these stories again and again and especially that story. I think you have to retell them in an interestingly new way. I object to people saying ‘It’s a comedy about World War Two!’ because it’s not. It’s a story about World War Two with some jokes. You know I think that it is a access point for audiences and also for younger audiences to be pulled into the story and the style to understand what happened.To keep finding new and inventive ways of keeping the story running.


ーーCan you tell us about how you got those young actors to become involved in the films and how you got such incredible performances out of them?


Taika: Yeah, kids you mean all of us. With casting those kids, Roman came right after the casting process and I think we were a little bit worried about finding someone right for the part and usually when I cast children in my films I just look for someone who resembles as closest possible, the character. Or if I find someone that I love, then I will change the character to suit them. I never ask kids to pretend to be someone else because it’s too much you know. Adult grown up actors, they tend to over complicate things a lot. But with kids I think you get the purest performances when you just let them be themselves and learn the words. Roman really embodied the sensitivity that I was looking for and Thompson as well. Once you do that it’s sort of smooth sailing from then I guess. I think the hardest part is casting them and finding the right kids.


ーーIt looks similar to the film, Butterfly. I just thought that maybe there was a significance to that. Can you expand your comments on the Butterfly? My natural instinct is of course to remember the first world war and is that in any way a reference?


Taika: You got it! You got the reference. It was one of the first anti war films and it was absolutely beautiful. So that is the reference.


ーーThank you so much Jojo Rabbit!








text Ryoko Kuwahara

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