全てを失った書店主と身寄りのない少女が紡ぐ、本をめぐる物語
NeoL / 2020年2月16日 11時51分
本は時に読者にも物語を生むことがある。読書を通して新たな交流が始まったり、本で得た知識が現状を打破するきっかけとなったり、あるいは1冊の本が人生の生き方をも変えてしまうことさえある。
本書『書店主フィクリーのものがたり』はそんな作品だ。
島に1軒だけの本屋を妻と2人で営んでいたフィクリー。しかし、妻を事故で失い、いまはただ1人。しかも、売れば大金になるはずの稀覯本まで盗まれてしまう。愛する妻と財産を失い失意にくれるフィクリーだったが、それでも彼は本を売り続ける。そんな、ある日、書店の中にぽつんと幼児の女の子が置き去りにされていた。彼女の名前はマヤ。フィクリーは彼女を育てる決意をする。マヤをきっかけに書店に集まって来る島の人々。普段はあまり本を読まない島民まで店に足を運ぶようになり、いつしか、みなが本を読み、買い、語り合うようになっていった。そんな中で、本好きになったマヤはすくすくと成長し……
本書にはフィクリーという男の心情や人柄を表すような実在の名作が多数登場する。海外文学に親しんでいる人は思わずニヤリとしてしまう場面も多いかもしれない。普段あまり本を読まない人は本書をきっかけに興味の湧いた本を手にとってみるのもいいだろう。
きっとそこから新しい物語が始まるはず。
『書店主フィクリーのものがたり』
ガブリエル・ゼヴィン
早川書房
1870円
Amazon
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/culture/
この記事に関連するニュース
-
『N』は今まで自分が書いてきた中で一番の、究極の「体験型」小説かもしれません『N』道尾秀介
集英社オンライン / 2024年6月30日 10時0分
-
「『名を名乗れ』って本を探してる」「『君の名は。』ですね!」 リアル書店の魅力が詰まったエッセイ。
東京バーゲンマニア / 2024年6月28日 6時0分
-
なぜ「共感」は、生きづらさを生んでしまうのか...「伝える」よりはるかに強い「伝わる」の魔法の力
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月27日 12時15分
-
【夏限定新カバー登場!】杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫nex)、完全描き下ろしイラストの季節限定ダブルカバー特別仕様で発売中!
PR TIMES / 2024年6月26日 14時15分
-
死刑囚たちや拘置所内の描写がリアル。「犯罪者が犯罪者の髪を切る」異様な仕事本/『死刑囚の理髪係』書評
日刊SPA! / 2024年6月25日 8時50分
ランキング
-
1「ハイオクとレギュラー」は何が違う? ハイオクが「高い」のはなぜ? “ハイオク指定車”にレギュラーを入れたらどうなる?
くるまのニュース / 2024年7月22日 21時10分
-
2大人以上に暑い!?子どもの「熱中症」リスクが高い理由…異変に気づくためには?
南海放送NEWS / 2024年7月22日 17時54分
-
3腰痛に悩む女性が今すぐに取り入れるべき「3つの習慣」…“ぎっくり腰のリスク”も軽減
女子SPA! / 2024年7月22日 17時42分
-
4【マック】ナゲットの持ち方で性格診断できるだと?SNS大盛り上がり「お上品ナゲットタイプだった」「確実に神経質ナゲットタイプ」
東京バーゲンマニア / 2024年7月22日 17時16分
-
5爪がボコボコになる原因・病気って?爪の溝を改善する方法【医師監修】
ハルメク365 / 2024年7月22日 22時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)