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中国のなかのアメリカ - ふるまい よしこ 中国 風見鶏便り

ニューズウィーク日本版 / 2013年11月22日 6時18分

 ロック氏の辞任声明では、北京が原因だとは触れていない。だが、先に子供たちをそろってアメリカに返したことを考えると、今北京で暮らしている人なら自然に大気汚染を思い浮かべるくらい、深刻な問題になのだ。だが、それに加えて、大使夫妻と親しく、また同じ学校に子供たちを通わせている、著名不動産開発会社「SOHO」の張欣CEO(米国籍)は、「長女があと1年半で大学に進学するので、それまで家族揃って暮らしたいという思いがロック大使にある」のだとメディアの問いに答えている。

 家庭の事情なのか、ハンツマン前大使が大統領選出馬準備で時期を早めて帰国したようにロック氏にも次の「チャンス」が転がり込んできたのか? ロック氏の前途をそんな「かつてあったパターン」に当てはめて想像する中国メディアの記事には、「ロック氏が華人初の国務長官になるのではないか」「次期大統領選に出馬か」といった専門家の声も並ぶ。

 それにしても、ロック大使の辞任を伝える記事や書き込みを読んでいると、中国人はつくづく良くも悪くもアメリカが「好き」なんだなぁ、と思う。わたしがふとツイッターで、「もしロック大使のように、日本大使が『家族と過ごしたいから任期を待たずに辞めます』などと言おうものなら、その大使は激しい批判を浴びて日本に帰れなくなるかもしれない」と中国語でつぶやいたら、「だから日本はアメリカに勝てないんだ」という中国人ユーザーのつぶやきが返ってきた。

「アメリカに勝つ」。物言いからしてまだ若そうなこのユーザーが、わざわざ中国政府の作った「壁」を乗り越えてアメリカ産の本家本元のマイクロブログであるツイッターにアクセスしておきながら、「アメリカに勝つ」という言葉を吐く不思議さ。同時に、微博では「ロック大使による中国の評価」と書かれた、次のような書き込みが多くの人たちにコピペされ、大量に転送されていた。

1)大事には我慢して声を出さないのに、細かいことにいちいちこだわる。
2)人間関係を通じて事を成そうとし、絶対に正統な手段を使って物事を解決しようとしない。
3)なにかあると大声で外界を批判し、我が身を振り返ることはほとんどしない。
4)友だちの成功を喜ぶのは嫌がるのに、知らない人の悲劇に協力を申し出る。
5)長期の未来の幸せを考えず、目前の小さな利益にリスクをかける。

......なかなか痛烈である。もちろん、ロック大使がいつ、どこで、どんなふうにこの言葉を吐いたのかはまったく触れられておらず、その情報の出処も見当たらないので、十中八九ネットユーザーの作り事だろう。もちろん、これを読んで素直に大使の言葉だと信じて激昂しているユーザーもいたし、「もしこれが本当に大使の言葉なら、なかなかよく中国人を理解しているじゃないか」という賞賛の声もあった。ただ、コピペして転送しすることを楽しんでいるだけのようにも見える。

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