1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

ベルギー「子供の安楽死」合法化のジレンマ

ニューズウィーク日本版 / 2014年2月17日 12時20分

 忘れてはならないのが子供の親たちの立場だ。「『本当に死にたい』と言われれば、90%の親はそうさせるだろう」とファンデルウェルフテンボスは言う。親にとって子供が苦しむ姿を見るのはつらいことだからだ。
そうは言っても、彼らが非常に苦しい選択を迫られることに変わりはない。医師の中からは、そんな耐え難い立場に置くくらいなら、子供の安楽死を決定するプロセスから排除するほうが親のためではないかとの意見も出ている。

 前出のプティ夫妻は、もし自分たちの子供が病気で終末期にあり、死にたいと言い出したらどうなるか思い描いてみようとしている。「できるだけ多くの人の意見を聞くつもりだ」と夫のセバスティアンは言う。「私は医療関係者ではないから、多数派の意見に従おうと思う」

 子供の生死に関する問題だというのに、多数派の意見に流されようとする──ベルギーは寒々しい新たな時代へと突入しようとしているようだ。

[2014.1.21号掲載]
エリーサーベト・ブラウ


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください