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さらば、ジャンボジェット

ニューズウィーク日本版 / 2014年4月8日 16時47分

 747の次世代機747-8がデビューしたのは10年初頭のこと。初飛行は、69年に最初の747が初飛行した滑走路で行われた。

 747の生みの親であるジョー・サッターは、その様子を見詰めていた。89歳だったサッターは航空業界の長老であり、大型旅客機設計の生き字引だ。

 747-8型機の初飛行からしばらく後、私はサッターに65年にジャンボを考案したとき、2010年まで現役で活躍すると想像していたかと尋ねた。彼は「いや」と言った。「将来のことは見当もつかなかった。超音速旅客機が登場すると思っていたし、747は貨物専用機に転用されると思っていた」

 747-8には旅客機と貨物機モデルがある。旅客機としては人気がないが、貨物機としては今後も販売が続きそうだ。とはいえ、旅客機の747が一夜にして消えることはない。今も1日に10万人近い乗客が747の利便性を享受している。

 747は素晴らしいジェット機だ。ボーイングによれば、747が運んだ延べ乗客数は世界の人口の半分を超える35億人以上になるという。すごい数字だが、ジャンボの真の功績はそれだけではない。747が初めて空を飛んだ頃、世界旅行は多くの人にとって遠い夢だったが、今ではごく普通のことになった。

 747はこの大きな変化の立役者だ。747の経済効率は航空会社がその10年前には想像もしていなかった形で、航空市場の大衆化をもたらした。そしてそれ以来、世界は永遠に小さくなったのだ。

[2014.4. 8号掲載]
クライブ・アービング(英コンデナスト・トラベラー編集者)


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