人口減少時代には「メガシティ」への人口集中が必要だ - 池田信夫 エコノMIX異論正論
ニューズウィーク日本版 / 2014年5月21日 18時31分
資本主義を生んだのは都市だった。それは戦争の続く近世ヨーロッパで、要塞から進化したものだ。戦争に勝つのは経済的に強い都市だから、豊かな都市国家が生き残った。近代国家の強さを支えているのは、こうした都市間競争によるガバナンスだった。産業革命の拠点となったのも、労働者の集まる都市だった。都市の限られた人口を資本で補うために、労働節約的な技術が開発されて機械制大工業が生まれたのだ。
地域間格差を恐れる必要はない。多くの経済学者が提案するのは、むしろ人口を都市に集中させることだ。ニーアル・ファーガソン(ハーバード大学)は、これからは東京、上海、ムンバイ、リオデジャネイロなど1000万人以上の人口を集めるメガシティの競争によってグローバル資本主義が動くという。
都市にも高齢化の波は押し寄せてくる。人口減少時代に必要なのは「国土の均衡ある発展」と称して地方に補助金をばらまくことではなく、国の権限を都市に委譲して高齢化時代に対応した効率的なインフラ整備を進め、農村部には投資しないで人口の都市集中を進める戦略である。
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