『ドラえもん』のアメリカ進出に30年かかった理由とは? - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
ニューズウィーク日本版 / 2014年5月22日 11時15分
もう一つは、様々な「外部のカルチャー、ブランド」との連携です。「スタジオジブリ」との提携、「スター・ウォーズ」ブランドの買収と新三部作の製作というように、自分たちの持っていなかった分野を埋めるために外部のブランドを取り込んでいます。今回の『ドラえもん』ブランドとの提携もその一つと見ることができます。
では、ディズニーが変化していくように、アメリカという国も、素朴な楽観主義や理想主義を捨てることで、アジアやヨーロッパを追いかける「普通の国」になってしまうのでしょうか?
必ずしもそうではないと思います。複雑な現代社会におけるリーダーシップを育てるカルチャーはアメリカにはまだまだ健在です。その新しい時代のリーダー像というのは、例えば『ハンガー・ゲーム』のカットニスのように、そして『ダイバージェント』のベアトリスのように、そして『アナ雪』の姉妹のように女性に託されています。
男性は、そして少年たちは『アメイジング・スパイダーマン』のピーターのように、突き進んでいく女性たちを見守りながら「自分探し」をする時代なのです。その意味で、多少「頼りない」が「柔軟」であるキャラの「のび太」というのは、アメリカの少年たちの現在の位置に非常に近い存在になったのだと思います。
その代わりに「しずかちゃん」は、相当に快活で知的なキャラを与えられ、前へ前へと進んでいく強さを託されることになるでしょう。それが、アメリカの若者や子供たちを取り囲んでいる同時代性なのだと思います。
この記事に関連するニュース
-
最初カワイイと思ったら途中で「おいちょっと」 いろんな理由で「嫌われた」美女キャラ
マグミクス / 2024年9月16日 19時25分
-
日本人の「自画像」の書き換えが必要とされる理由 「経済大国」から「アニミズム文化・定常文明」へ
東洋経済オンライン / 2024年9月5日 11時0分
-
えっこんな「ガチ描写」が 一応子供向けだけど怖すぎる「トラウマ」アニメ映画
マグミクス / 2024年9月3日 18時35分
-
スイスで安楽死するための費用約200万円の"内訳"…長寿大国日本に安楽死希望者は多いが実現はまだ遠い理由
プレジデントオンライン / 2024年9月1日 10時15分
-
【9/13刊行記念イベント】『日本人が学ぶべき 西洋哲学入門 なぜ、彼らはそう考えるのか?』刊行
PR TIMES / 2024年8月29日 15時15分
ランキング
-
1中国大使「深圳の事件、冷静に対処する」 都内で中国建国75年レセプション
産経ニュース / 2024年9月26日 19時23分
-
2中国、海自艦の台湾海峡通過めぐり「政治的な意図を警戒」 中国外務省報道官が表明
産経ニュース / 2024年9月26日 17時36分
-
3香港ネットメディア前編集長に禁錮1年9月…報道を「扇動」と判断、香港返還後で初
読売新聞 / 2024年9月26日 23時45分
-
4ウクライナに1兆円超支援 米、来月独で首脳会合主催
共同通信 / 2024年9月26日 22時47分
-
5イスラエル、レバノン市民に電話で退避警告 国営通信社
AFPBB News / 2024年9月23日 18時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください