シカゴ、週末に56人が撃たれ12人死亡
ニューズウィーク日本版 / 2015年5月27日 19時47分
先週末のアメリカはメモリアルデー(戦没者記念日)を含む3連休。多くの人が墓地や記念碑を訪れるアメリカの祝日だが、シカゴでは血の週末となった。シカゴ・トリビューンによると、少なくとも56人が銃で撃たれ、そのうち12人が亡くなったという。
同紙によれば、まだ逮捕者は出ていない。シカゴ警察は本誌の取材に、公式の数字はまだないと語った。
命を取りとめた44人のうちの1人は、4歳の少女だったとシカゴ・サンタイムズは報じている。金曜日の夜、いとことSUVの中にいた少女は、近づいてきた別の車の中から何者かに頭を撃たれたという。
以前からシカゴ市長のラーム・エマニュエルと警察当局は、シカゴの「最も差し迫った問題」は銃犯罪だと言い続けてきた。市当局によれば、殺人率や犯罪率は下がっているものの、銃の不法所持が多く、悲惨な結果を招いている。シカゴの殺人件数はニューヨークやロサンゼルスをも上回り、2012年にシカゴで押収された銃の数は7624丁と、ニューヨークとロサンゼルスを合わせた数を上回った。
地区で3件の銃撃事件が起きても自治会長はどこ吹く風
アルコール・たばこ・銃器取締局(ATF)は昨年、シカゴ担当の職員数を増やし、押収した銃ほぼすべての出所を販売店まで辿って突き止めた。販売されている銃が、犯罪の意図を持つ者の手に渡ったり違法に転用されたりする現実を示していると、市当局は考えている。
だがシカゴ市内のイングルウッドで自治会会長を務めるアイシャ・バトラーは、報道されているほど悲惨な状況ではないと言う。イングルウッドは先週末の銃撃事件のうち少なくとも3件が報告されている地区だ。
「大都市ではこういった事件がよく起こる。ボルティモアでもフィラデルフィアでもデトロイトでも、シカゴと変わらない」とバトラーは言う。「この週末はずっと玄関先のポーチにいたし、庭でバーベキューもしたが、銃声は一度も聞いていません」
そういう問題ではないだろう。
昨年のメモリアルデーの週末はシカゴでの銃撃事件は少なかったものの、その前年は17人が銃で撃たれ、うち6人が死亡。2012年は40人が怪我をし、11人が死亡している。
マックス・カトナー
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1謎のドローン目撃相次ぐ 市民に不安 米ニュージャージー州
AFPBB News / 2024年12月12日 18時31分
-
2イスラエル軍、停戦合意に従いレバノン南部から撤退開始 米中央軍発表
AFPBB News / 2024年12月12日 15時43分
-
3韓国野党、2度目の弾劾訴追案を提出…与党は7人が賛成意向も総会で代表に辞任求め騒然
読売新聞 / 2024年12月12日 23時9分
-
4インド太平洋の米軍飛行場、中国の攻撃に脆弱=報告書
ロイター / 2024年12月12日 18時3分
-
5ロ大統領報道官「必ず反撃」、ウクライナの長距離ミサイル攻撃で
ロイター / 2024年12月12日 19時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください