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日本でもブレイク前夜? サブスクリプション型音楽配信サービスに各社が参入

ニューズウィーク日本版 / 2015年6月18日 11時31分

 しかし過去10年で音楽CDの売上は次第に減少しており、デジタルの有料音楽配信市場も着うたが流行していた2009年の910億円をピークに減少に転じ、近年の売り上げはピーク時の半分以下に落ち込んでいる(日本レコード協会「日本のレコード産業 2010」「同 2015」)。音楽ソフト産業が規模縮小トレンドにあるのは明らかだ。理由はさまざまなことが考えられるが、前述のサブスクリプション型音楽配信サービスAWAの取締役/プロデューサーを務める小野哲太郎氏は、調査会社トレンド総研が6月8日に発表したレポートの中で、「音楽と出会う機会の減少と、音楽視聴形態やユーザの変化に事業者やビジネスモデルが追いつけていないこと」を挙げている。

 同レポートはまた、15〜49歳の男女500名を対象とした「音楽聴取方法と音楽配信サービスに関する意識・実態調査」の結果を公表しており、「音楽を聴く際に使用しているデバイス」は自宅ではパソコンが首位で、次いでスマートフォン。外出先ではスマートフォンが1位になっている。ところが一方で、音楽ソフトの入手経路としては、CDを購入またはレンタルしてスマートフォンに取り込んで聴いている人が圧倒的に多く、音楽聴取のハードに対して音楽ソフトの供給経路が最適化されていないことが伺える。ここに商機があるのは明らかだろう。

 ただ、サブスクリプション型音楽配信サービスが始まったからといって、必ずしもそれが成功して音楽ソフト市場が上向くとは限らない。たくさんの楽曲が聴き放題ならそれだけでユーザーが来るというものではないことは、過去の国内サブスクリプション型音楽サービスの事例が物語っている。今年(2015年)3月末に終了したソニーのMusic Unlimitedは約2500万曲のラインナップを揃えており、AWAやLINE MUSICが提供する数百万曲より1ケタ多い楽曲数だったが、音楽マニアでもその名前を知らないままだった人は少なくないだろう。
(※Music Unlimitedは、海外ではSpotifyと提携しPlayStation Music名義でサービスを提供中。日本国内ではSpotifyのサービス内容を提供できない事情があり、PlayStation Musicは未だ公開されていない模様)

 だからこそ、サブスクリプション型音楽配信サービスに新たに参入した各社はそれぞれにサービスの特徴を打ち出している。LINE MUSICはLINEのメッセージングアプリとしてのアドバンテージを活かし、LINEのトーク画面上で楽曲やプレイリストを送りあう機能が強力な売りのひとつになっている。AWAはユーザーに音楽との出会いを提供することにフォーカス、「作成者のストーリーが反映された『プレイリスト』に、楽曲の波形データなども含めて分析し、独自のアルゴリズムを搭載した『リコメンドエンジン』を掛け合わせることで、(中略)幅広い層に新しい音楽体験が届けられる」(小野プロデューサー。トレンド総研レポートより)という。

 現在の音楽リスナーのライフスタイルや使用するデバイスにマッチしたサービスをデザインするのは当然だが、それに加えて、従来なかった音楽との出合い方や新しい音楽の楽しみ方の提案があれば、音楽を聴く習慣のなかった層を取り込むことも可能になる。人口の上ではボリュームゾーンにあたる、かつて音楽を聴いていたミドル〜シニア層にも大きな鉱脈があるだろう。サブスクリプション型音楽配信サービスをめぐるゲームは、日本では始まったばかりであり、プレイヤーが今後さらに増えていくことも予想される。

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